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【学校探訪記】近代から継承される共愛の教育(4・最終回) 中学編

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【学校探訪記】近代から継承される共愛の教育(4・最終回) 中学編

中学入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.07.30 
tags:共愛学園, 共愛学園 オープンキャンパス, 共愛学園中 ハワイ, 共愛学園中 入試, 共愛学園中学, 共愛学園高校

共愛学園では中学・高校の6年間をまとまりをもった教育の場ととらえ、学習環境を整備している。それゆえ「キリスト教主義教育」「英語教育」「他を思いやる心(人格教育)」「一貫教育」という4本の学びの柱は、共愛学園高校の教育実践と共通している。

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 創立から129年の長い歴史を歩んできた共愛学園(前橋市)は幼児から大学生までの幅広い層が集う県内で唯一の総合学園である。同学園が掲げる教育方針は「わたしがあなたがたを愛したようにあなたがたも互いに愛し合いなさい」という聖書の言葉である。「共愛」という名前もこの言葉に基づいて名付けられた。
 今回の学校探訪記は、共愛学園の「いま」を卒業生や学園関係者の声を織り交ぜながら紹介する。全4回シリーズの最終回にあたる本記事は、共愛学園中学校をクローズアップする。
 
 ”一貫教育の実践”という文脈の中の共愛学園中
 共愛学園中学・高校は併設型の中高一貫校だ。併設型といっても、高校から合流する生徒も多い。中学は100名定員で2~3クラス編成。およそ9割がそのまま共愛学園高校に進学する。割合でみると、共愛学園高校のうち、約20~25%が共愛中の出身者ということになる。
 
 共愛学園では中学・高校の6年間をまとまりをもった教育の場ととらえ、学習環境を整備している。それゆえ「キリスト教主義教育」「英語教育」「他を思いやる心(人格教育)」「一貫教育」という4本の学びの柱は、共愛学園高校の教育実践と共通している。
012 中学写真4
 
013 中学写真2【写真】共愛学園中の授業の様子(上・下とも)

 英語教育・国際教育という面では、中学3年生時にハワイへの修学旅行が組まれている。時期がパールハーバーのメモリアルデー付近に実施されるのは平和学習という観点も含まれている。また、夏休みには希望者に向けてオーストラリア短期留学も設けられている。国際交流の機会は高校同様、非常に充実しているといえる。
 

 中高一貫教育は中学ー高校での連続性が活かせる良さがある。中学と高校の職員室は別棟だ。しかし、中学の先生が高校のクラスを受け持ったり、高校の先生が中学の生徒を受け持つこともある。実際、同学園の広報担当もしている松本拓先生は中1から高3までの全学年の数学を教えた経験がある。こうした行き来が可能なのは「一貫教育」ならではだ。
 松本先生は言う。
「中学校で授業をする際に、高校内容を見据えた指導ができるのでいいですね」。共愛学園中学と共愛学園高校の学校内異動はあるが、私学なので他の学校への異動はない。その分、生徒とじっくり関わることができる。
 そして、こうした6年間の関わりが受験でも実を結ぶ。実際、共愛学園中の出身者は大学受験でも成果を上げている。
 
◆2017年度大学入試 合格者実績 (共愛学園中学校出身者)
 お茶の水女子大学   1名
 青山学院大学     4名
 中央大学       3名
 上智大学       2名
 国際基督教大学(ICU)1名
 立教大学       1名


 穏やかな雰囲気の中、のびのび学べる教育環境 
 では、中高の「接続」はどうなっているのか。
 中学から高校への持ち上がり時、普通科(特進コース・進学コース)、英語科(特進コース・進学コース)のいずれに進むかの希望をまず本人に出してもらう。各コースとも特に定員を設けているわけではないが、学内の推薦基準にしたがって最終的なコースが決定される。中学3年時の12月には内定が出される。
 高校の入学試験が行われる日、彼らも同じ日程・時間で入試問題に取り組む。もちろん、共愛学園中の生徒は内部推薦となるが、入試結果は高校進学後の貴重な成績資料になるそうだ。
 
 
014 中学写真3
 3年間中学で一緒だったメンバーに外部から新入生が入ってくることで、入学当初、共愛学園中の出身者だけで固まってしまうようなことはないのだろうか。
 これについて、松本先生は「むしろ新しくやってきた生徒たちと積極的に交わろうという意識が強いですね。他校出身の生徒たちと共に新しい仲間を作ろうとしています」と証言する。
 共愛学園中では学びの柱の一つとしてキリスト教主義に基づいた「他を思いやる心」を掲げている。「共愛の精神」だ。他を受け入れようとする姿勢をもつ生徒が多いというのも、この理念と無縁ではないだろう。
 
 学校の雰囲気について、同校出身で青山学院大学を卒業した中島優理香さんは、「なごやかで、生徒と先生の距離が近いです。毎朝の礼拝で色々な先生がお話しするから、それを通して生徒が先生の顔をよく知っていて、他学科の先生と生徒の仲が良かったりします」と証言する。
 これは中島さんに限った話ではない。今回の取材を通じて、同校の先生と生徒の程よい距離感を共愛の魅力として挙げる卒業生は少なくない。
 教師の目にも同様に映る。実際に教壇に立つ松本先生も「面倒見のよい先生が多いので、生徒たちはのびのびと学校生活を送れていると思います」と語る。
 こんな声もあった。
「共愛学園が穏やかな雰囲気の学校だということを卒業後、他校出身の友人の話を聞いて実感しました」。
 在籍している間は他の学校の雰囲気はわからない。その学校の魅力は卒業してから気づくことが多い。それは、一人暮らしを始めてから、親のありがたみに気がつくのと同じようなものなのかもしれない。
 
共愛ロゴ小
 
 「わたしがあなたがたを愛したようにあなたがたも互いに愛し合いなさい」という聖書の言葉。取材を通して感じたのは、この共愛学園の原点ともいえる精神が、世紀を超えて連綿と受け継がれているということだ。
 今後、ますますグローバル化が進み、世界がボーダーレスになっていく社会で、異文化への理解は避けて通れない。そういう時代にあって、ますます「共愛」の精神は必要とされてくるだろうし、意味をもってくるはずだ。
(編集部=峯岸武司)
 
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