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共愛学園前橋国際大学の学生がスイーツなどを企業と共同開発

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共愛学園前橋国際大学の学生がスイーツなどを企業と共同開発

教育全般

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2023.03.02 
tags:共愛学園, 共愛学園前橋国際大学, 前橋国際大 起業, 前橋国際大学 バーチャルカンパニー

共愛学園前橋国際大学

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 共愛学園前橋国際大学(前橋市小屋原町)の学生が「バーチャルカンパニー」の授業の一環で仮想企業を立ち上げ、前橋や高崎、桐生、藤岡の飲食店や農園と共同し、スイーツなどの商品を開発した。商品は共同開発を行った店舗で販売されている。

 

バーチャルカンパニーって何?
 同大学が取り組む授業「バーチャルカンパニー」は、起業家教育プログラム「Youth Enterprise」を利用し、仮想企業を立ち上げるもの。これを運営する模擬体験を通して、起業意欲・商品開発・ITスキル・情報理論など情報化社会において必要となる知識・技術を総合的に学習する。
 同大学では単独の授業として2004年度から開始し、その年から企業とのコラボも試験的に始めた。翌05年度からは、企業とのコラボを前提に、22年度までに仮想企業数は約100社。これまでに授業を支援する地元企業は累計約140社に上る。

 

「群馬」をキーワードに社会貢献をする商品開発
 今回は、学生たちの仮想企業「葉菜丸(はなまる)」「あさがお」「Luola」が開発した商品が販売を開始。それぞれ1年生5人、2年生1人のグループで、22年4月から新商品開発に向け取り組んだ。商品開発のキーワードは「群馬」。群馬に関するものであれば何でもよいが、必ず「何らかの社会貢献をする商品を開発すること」を目標とした。

 

[開発商品・その1]  ベジたま
 「葉菜丸」は、前橋市で野菜を使用した製菓の製造・販売を行う「MOGMOG DONUT」と共同で「ベジたま」を商品化。野菜パウダーを生地に練り込んだ一口サイズのドーナッツで、トマト、カボチャ、ホウレンソウの3種類の味が楽しめる。

 

 開発については、近年の日本で問題となっている20代女性の「低栄養」に着目。不足しがちな栄養素を豊富に含んでいる緑黄色野菜を使用した商品を作り、20代女性の健康のサポートを行いたいと考えたという。
 完成した商品は、サクサクとしたケーキ生地に緑黄色野菜のパウダーを練り込んだカラフルさがかわいい商品。作業中の忙しい時でも手軽に食べられるよう、ピックが付いたカップ入りで提供している。販売場所は、MOGMOG DONUT。価格は1カップ6個入り(各種2個)で378円。

【写真】企業との打ち合わせの様子

 

[開発商品・その2]  うめみそパン

 「あさがお」は、高崎市で80年以上続くパン屋「このえパン」と、高崎市の梅農園「岡田農園」と共同で「うめみそパン」を開発。同農園が作る「梅味噌」をパンの間に挟み、上からマヨネーズとコショウをかけ、焼き上げた商品となっている。

 

 同グループでは、20代の朝食欠食率が高いことに着目し、時間がない朝に手軽に栄養を補給できる商品を検討。群馬県の特産品を生かそうと、全国生産量が2位の「梅」と同県のソウルフード「みそパン」を組み合わせた商品を完成させた。
 元来のみそパンと違い、バターと卵、牛乳を使用したふわふわ生地でU字型のパンが特徴。梅味噌には隠し味でみりんを加え酸味を抑えた。マヨネーズのジューシーさとコショウのアクセントが合わさり、今までにない味わいを楽しむことができる。販売場所は、このえパン。価格は172円。

【写真】商品開発の打ち合わせの様子

 

[開発商品・その3]  もちもチルケーキ

 「Luola」は、藤岡市でグルテンフリーなどの健康に気を使った製菓の製造・販売をするOHANA Cake’sと、桑茶を桑の葉の栽培から袋詰めまで一貫生産する桐生市のぐんま製茶と「もちもチルケーキ」を共同開発。桑茶とハワイのスイーツ「バターもちケーキ」を組み合わせた、優しい甘さでもちもち食感のグルテンフリー商品を完成させた。

 開発のきっかけは、「子どもたちに向けてwell-Being(身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること)について考えるきっかけ作りをしたい」という思いから。子どもたちにとっての至福のひとときはお菓子を食べる時間と考え、お菓子の商品開発を開始。多くの栄養素が含まれる桑茶を、もちもち食感が楽しい「バターもちケーキ」と組み合わせ商品を完成させた。
 商品には桑茶だけでなく、おからパウダーやこんにゃくセラミド、てんさい粉など、健康や成長だけでなく美容にも効果的な素材を使用。生地は小麦粉の代わりにもち粉とおからを使用したグルテンフリー。ココナッツミルクの優しい甘さの中から桑茶の香りが広がる一品になっている。販売場所は、OHANA Cake’s。価格は194円。

【写真】商品開発の様子

 

 担当教員の兼本雅章教授は「教員はファシリテーターとして対応するのでアドバイスはするが、決定権は学生たちにある。そのため、学生自らが行動しないと何も進まない。また、仮想企業というチームとして動くため、結束力も重要になる。高校生までは、どちらかと言えば従順に過ごしてきた多くの学生たちにとって、これらのこと自体が大きなハードルのようにも感じる。しかし、この取り組みに積極的に関わり、社会人と一緒に活動していくことで、社会で必要とされる力を含め、さまざまな気づきや失敗の経験をすることができる。学生たちが大きく成長していく姿を見ることができ、教員としてはうれしく感じる」と話している。
 なお、販売期間は「ベジたま」は5月中旬、「うめみそパン」は3月15日までを予定。「もちもチルケーキ」は未定となっている。

(編集部=臼井晃斗)

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