群馬県公立入試分析【社会編】
■社会の動向と分析
社会に関しては、例年、かなり命を削って分析している弊サイト編集長の峯岸が、自塾に不利にならない程度(?)に情報を流します。初稿ではかなり具体的に踏み込んで予想を立てたのですが、思いとどまりました。出せるところまでにとどめておきます。「予想師」の方がいらっしゃいましたら、個人的に連絡ください。情報交換しましょう(笑)。
さて、地理について。
昨年はカナダとオーストラリアに関する問題が出題された。「露天掘り」を出してくるあたりが新教科書を反映した出題といえる。これについてはその前の年の他県で出題されている。社会については最新年度の全国公立入試のトレンドが影響力をもつので、対策出来るなら最新のものを当たらせたい。
今年度注意したいのは、BRICsのどこかとEUか。全国的にはアフリカの出題も多い。その点では、その単元に付随する用語・データなどをチェックしたい。
日本地理に関しては、旧教科書の時代は特定の県・地域の特色を問う形式だったが、昨年から新教科書世代に完全移行し、「東北地方」というくくりになった。このまま「地方」シリーズで行くとしたら、割合と対策は立てやすい。ただ、それぞれの地方に関するオーソドックスなものはもちろん、真新しいワードに出題者が飛びつく可能性もあるので、その辺にも目くばせしたい。
地域別でなく、全国から5つくらいの都道府県をピックアップするタイプに回帰する可能性もある。出題者的にはこちらのほうが幅広く出しやすい。その意味で、昨年を踏襲しない可能性もある。社会は改定後の手探りの時期でもあるので、傾向が固定しないおそれもある。予断は禁物だ。
基本的に、旧教科書になくて、新教科書で取り上げられている項目、去年の入試で出されなかった単元というスクリーニングをかけていけば、ある程度の目星はつくはずだ。
歴史に関しては、今年も海外とのつながりは一つの軸になるはず。新課程の方針がそうなっているからだ。去年、江戸幕府の改革とヨーロッパの動きが出題されたが、この視点は今年も外せない。他の時代でも海外とのつながりが扱われやすい箇所はいくつかある。時代区分や世紀についても確認したい。時代区分とは「古代・中世・近世・・・」といった分類だ。こういうのは受験生は弱い。それから、やはり歴史も新教科書になって強化された単元というのは要注意だ。
公民については、トピックが多い。政治分野では三権。三権の中では国会が匂うが、ここは万遍なく。憲法改正は受験生の苦手とするところ。こういった法的手続きは数字がはっきりしているため、あやふやな知識だと○にならないから、しっかり定着させたい。「公共の福祉」も全国的には流行りだ。
経済分野では消費系か。インターネットを絡めた問題は出る可能性あり。
穴埋めや用語記述はいやらしいところを狙ってくる。数年前「企業の社会的責任」なんてのがでた。CSRは確かに時代的なはやりだった。正答率は公表されていないが、かなり低かったと推察される。おととしで言えば「人間の安全保障」、昨年で言えば「持続可能な社会」。こういうワード、群馬県は大好き。そして、軒並み受験生は出来ない。たとえば、どこぞの県で「司法制度改革」を答えさせるような出題があったが、こういうのが盲点だ。その意味で、押さえておくべき用語はまだまだある。用語を絞り込む際に「時代性」も意識すれば、的中する確率はかなり高くなるはずだ。公民は「課題解決型」の記述問題が出されそうな気もする。(文=峯岸武司)