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群馬県公立入試分析【理科・英語編】

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群馬県公立入試分析【理科・英語編】

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2016.02.04 
tags:傾向と対策, 入試, 公立高校, 群馬 公立 2016, 群馬県 公立入試, 群馬県入試 問題, 群馬県公立高校

理科と英語はどうなる?

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理科の動向と分析

 「群馬県の理科は基本問題が多く、出題数も多めというのが特徴です」。こう話すのはエデュケーショナルネットワーク情報企画部の向井菜穂子氏。だからこそ、全国の公立入試問題を数多く当たることが得点につながる。書かせるワードも全国出題上位になる教科書重要語句が多いのが特徴だ。これが「社会との違い」(向井氏)。社会は太字でないわりと癖のあるワードを求めてくることも少なくない。

 

(資料)ENJ Vol36より引用 著作権:エデュケーショナルネットワーク

 

●理科頻出ワード3年分

●理科頻出ワード3年分

 

 出題数は全国的に見ても多く、実験過程の文も長めだが、パターン通りのものが多く、「図を見れば、答えの想像がつくものが少なくない」(向井氏)。範囲的にも広く浅くのイメージだ。前橋市で理科を教えている塾講師のAさんも「群馬の理科はどこかの単元に絞り込むよりは、基本問題を面的にこなしていくことが大切」と話す。

 

 移行措置が一通り終わり、平均点も安定してきている。多少、難易度の上下は予想されるものの、やった分だけの成果が得やすい教科と言えそうだ。

 向井氏の推しは「月」。新規に加わった単元では、出題回数が少なめだというのが根拠だ。点差が付きやすい、一分野の計算系の問題や二分野の天気・地震などの地学系の問題も上位校受験者は外せないところ。とはいえ「難しくて手が出ない問題は少ない」ので、食わず嫌いをせずに克服したい。

 

英語の動向と分析

 平均点が2年前から大きく下がり40点台が続いている。「この傾向は大きく変わらないのではないか」。ベネッセコーポレーションの今村健吾氏はこう話す。2020年の大学入試改革で英語はその肝になる科目の一つ。そこに照準を合わせ、各県とも入試問題には手探りの状態だ。30~40語の自由英作文についても、状況を把握し、文脈にそった形で表現する問題に変化した。採点基準も上位校だと、しっかり状況に答えられているかどうかも判断基準になる。

 たとえば、茨城県公立高校の入試問題では「アメリカ人の留学生とテニスする予定だったが、朝起きると雨だったという状況に対し、他の予定をメールで提案する」問題が出題された。これを英語で15語以上25語以内で英作させる内容だ。

 「以前であれば、この手の問題は、文法的な瑕疵(かし)がなければ、得点がつきました。たとえば、代替案を野球にすると書いてもマルがついたわけです。ところが、最近はその問題の意図がしっかり汲まれているかまで見られます。雨が降っているわけだから、野球というのは考えにくいわけで、状況に対する適切さ まで採点基準に反映されるようになりました」と今村氏は話す。

 

 伊勢崎市内のA塾長は「たとえば、『好きな教科とその理由』など、いままでは事前準備しやすいお題でした。明らかに対応力を見ようとしているのでしょうね」と分析する。自校入試が実質なくなり上位校受験者の点差をつける狙いもあるのではと推測する。もちろんその先には大学入試改革がある。「状況を把握し、適切に表現できる力をみたいのだと思います。その意味で、対策は取りづらくなった」(A塾長)。

 ポイントは動詞活用力と形容詞活用力だ。場面変化であれば動詞をうまく使い、感情・状態変化であれば形容詞を適切に当てはめる。「こういう整理をしっかりしてから書けば、手の届くレベルです」(A塾長)

 

 リスニングについては、ここ数年、マイナーチェンジが続く。昨年の4番の前後から内容を把握し、その中に適切な英文を構築していく問題も、読まれた英文のレベルは中1程度。決して難しくはないが、前後の文脈判断から内容を想像する力がないと厳しい。

 

 「全編通して英問英答がキーポイントになる入試問題ですね」とエデュケーショナル・ネットワークの向井氏は分析する。

 

 長文に関しては、全国的には「環境」「自然科学」系の説明文が増加している。「群馬も外国人がホームステイしたといったお決まりのパターンから大きく舵を切ってくる可能性は否定できない」(向井氏)。空欄補充や英作文では名詞の難化が目立つという。「他県で出題されたfestivaltreasureは書けなかった生徒が多く、正答率も低かった」(向井氏)

 

 前出のA塾長は「並べ替えや英作の難化は十分ありうる」と指摘する。「数年前に出された英作文は関係代名詞を絡めていました。それ以前はあまりなかったパターンです。今後も分詞・関係代名詞など3年生で習った文法事項を用いた英作や並べ替えで仕掛けてくるのでは」と予想した。

(取材・文=峯岸武司)

 

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