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塾講師向け・社会入試問題の歩き方

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塾講師向け・社会入試問題の歩き方

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.02.04 
tags:傾向と対策, 入試, 公立高校, 社会, 群馬県, 群馬県公立入試, 群馬県公立高校

社会の入試はどう出る?

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  社会に関しては、例年、かなり命を削って分析している弊サイト編集長の峯岸が、担当する。とはいえ、今年は年が明けてから、公私ともにバタバタしていて、実は社会の問題分析まで着手できていないでいる。今後、直前期に精度の高いレポートにまとめたいと思う。

 

 お茶を濁すわけではないが、「社会の入試問題の歩き方」を今回は書くことにする。どちらかといえば、同業の、塾の先生向けの話になる。

 

 さて、社会の入試分析で、忘れてはいけない指標は、次の4点だ。この4点を意識すれば、的中率はぐっと上がる。

 それは、社会の入試問題は、

 ①政策的トレンド(政府の指針や文科省の方針)

 ②時事的トレンド(世の中で問題や話題になっていること)

 ③入試的トレンド(他県の出題の傾向)

 ④群馬の過去問の動き

 をもとに出題されている点だ。

 

 社会については、データや制度が年々更新されていく中、過去問をひたすらやらせるのはあまり効果的ではない。過去については正解でも、現在に関しては不正解になることも十分ある。選挙制度など好例だろう。過去問はあくまで群馬県の入試出題者の「癖」をつかむための「教科書」だ。これについて言えば、10年前の過去問でも出題方式の研究素材として十分活用できる。とりわけ、過去問を見るなら2年、3年前がおいしい。これと直近のものを比較する。去年のものは、出ない分野の絞り込みに使える。

 

 実は、ここ数年、自分は、わりと社会の問題を当ててきた。「ぐーちょきパスポート」が出たときは思わずガッツポーズをしてしまった。どこの県も出題したことのない問題を当てることは、社会の指導者にとって醍醐味の一つである。

 

 では、いままで出たことがない問題をなぜ自分が予測することできたか。それは上記の4ポイントでスクリーニングをかけてきたからだ。大きなヒントは学校の教科書にもたくさん散らばっている。旺文社の入試問題正解、過去問、教科書の往復作業の中で、ひらめきは突如起こる。用意できるなら、データで見る県勢などもあるといい。「ぐーちょき」は自分が父親としてよく利用している中からのひらめきだった。他の県でも似たようなカードがあり、目的が行政の子育て支援と地元経済の活性化であることを知り、極めて「社会」的な素材だなと作問した。

 

 去年、他県の入試でズバリ的中させた例を話す。それは「ハラル」の問題だ。これについては、今年の群馬県入試でも推していくつもりだ。出なかったら、毎年のようにしつこくやっていくのも予想師には必要だ。出ないからあきらめて、やらせないと、そういうときに出てしまったりする。

 

 ハラルがあやしいと思いはじめたのは、イスラム教徒の観光客に向けて、ハラル認証を取得する飲食店が増えているというWBS(テレビ東京)の特集がきっかけだった(時事的トレンド)。その番組自体は3年前くらいに放送されたものだ。ちょうど、それが放送された現高3の入試直前期にハラルの話をした。とはいえ、この年は「こんな問題出たりして」程度の扱いだった。この時点ではあくまで保険のつもりで話をした。

 

 その後、インバウンドが話題になり、オリンピックムードで政府が外国人観光客を増やしていこうという方針に踏み切る中(政策的トレンド)で、2年前にオリジナルの問題を作問してみた。今はネットがあるから、図版なども手軽に入手できる。結果、不発だったが、愛媛県で同じような「イスラム教徒の観光客」についての出題があり、自分的には自信を深めた。それもあって、去年の直前期にはかなり押した。これまた不発。

 しかし、なんと驚いたことに、鹿児島で自分が作問した問題とそっくりな問題が出題されていた。もし自分が鹿児島県で塾の講師をしていたら、間違いなくヒーローだ。

 

 このハラルの問題で言うと、4ポイントの①と②の問題はクリアした。そして、この2年で他県入試でも扱われ始め、入試的なトレンドにもなってきている。こういう状況になると、一気に出題可能性は高まる。自分的には今年は強く推していこうと思う一問だ。

 

 4つのポイントを指標に、とにかく仮説をたて論理的に問題を見ていくことが大切だ。

 

 今年に関しては、正直、まだそこまで分析できていない。自分なりの分析が進んだら、また記事としてリリースしていきたいと思う。

 

(編集部=峯岸武司)

 

 

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