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群馬県公立入試分析【社会編】 2017年版

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群馬県公立入試分析【社会編】 2017年版

高校入試

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2017.02.25 

自分が塾を運営していなければもっと書きたいのだが…。

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 社会の出題分析をようやく書き上げた。自分が受験生をかかえる学習塾の塾長であることを忘れ、初稿はちょっと情報公開しすぎたので、再度書き直し、書ける情報を最小限にとどめた。したがって、あまり面白い内容ではないかもしれない。

 意外と「業界」読者様がいるから、「敵に塩は送れない」(笑)。度量が狭いんです。それに、PVが増えてきていて、その社会的な影響力(?)を考えるとちょっと臆病になっている。「出なかったじゃないか!」なんて訴えられたら、家族がいるので…。まあ、その辺りの事情を踏まえてお読みください。

 

○世界地理

 昨年は南アメリカとアフリカに関する問題が出題された。

 今年度注意したいのは、EUか。ここ数年、2地域をからませて来るパターンが多いから、ここと絡ませるとすると、西アジア+南アジア(インド)のセットか東南アジアか。昨年、公民で東南アジアの新興市場について触れる問題が出されたので、東南アジアという線は微妙ではある。ただ、ASEAN・EUといった地域主義という観点は残っている。昨年は地域主義が何かと世界で話題になった年でもある。

 イスラム教、キリスト教などの世界宗教についての知識確認も重要だ。新教科書では、キリスト教はカトリック、プロテスタントなどの細かい宗派も取り上げている。

 インバウンドでイスラム教徒に向けたハラル認証が話題になっている。自分的にはずいぶん前から推してきたが、おととしは愛媛で、昨年は山梨と鹿児島でこのテーマで出題された。そろそろか。個人的には一服感はあるが、EU域内の格差の問題も引き続きマークだろう。

 対蹠点を求める問題や緯線・経線の長さを問うような問題も全国的には流行りではある。飛行機をからめた時差の問題、排他的経済水域に関する問題などもマークしたい。

 案外、国で言うと、たとえばトルコやベトナムと言った子供には身近ではない国を出してくるかもしれない。

 

○日本地理

 旧教科書の時代は特定の県・地域の特色を問う形式だったが、おととしから新教科書世代に完全移行し、「地方」シリーズになった。

 昨年の自分の予想は、「中国・四国地方」と「中部地方」。実際は「北海道」と「中国・四国地方」だった。半分は的中した。残された地方は「関東」「中部」「近畿」「九州」だが、流れ的には「中部」「九州」を推したいところ。細かくは避けたいが、トピックは十分にある。次点で「近畿」か。

 とはいえ、出題者側の視点に立つならば、これだけ予想の立てやすい流れを作るかどうかということだ。考え方によっては、この四地方を集中的にやらせれば、ヤマがはれる。自分が出題者だったら「塾」をいじめてやりたい衝動に駆られると思う。たとえば、地域別でなく、昭和型の全国から5つくらいの都道府県をピックアップするタイプに回帰する可能性もある。出題者的にはこちらのほうが幅広く出しやすいし、ヤマは張りにくい。したがって、昨年を踏襲しない可能性もあることを片隅に入れておいておいた方がよい。自分が出題者だったら、新幹線をテーマにしたり、空港をテーマにして横断的な問題を作ってみたい。

 

○歴史

 今年も海外とのつながりは主軸になるはず。その視点では、押さえたいテーマはまだある。

 鎖国は指導要領改定で話題になったが、実はそれ以前にもすでに教科書は「鎖国」から足を洗いつつある。本当に細かく書きたいが、自塾のことを考えると、あまり書けない。

 時代区分や世紀についても確認したい。時代区分とは「古代・中世・近世・・・」といった分類だ。

 朱印船貿易は数年前から推しているが、こちらもなかなか出てくれない。そろそろか?

 近代については、戦争史は要マーク。これも漠然とした言い方にしておきたい。

 

○公民

 インターネットを絡めた問題は出る可能性あり。憲法改正などの法的手続きが憲法で示されているものは数字がはっきりしているため、あやふやな知識だと○にならない。しっかり定着させたい。天皇退位が話題になり、国事行為も外せない。三権は昨年も出題があったが、復習しておくべき単元だ。「公共の福祉」は全国的には流行り。

 たとえば、どこぞの県で「司法制度改革」を答えさせるような出題があったが、こういうの弱い。それにからめて法テラスの「テラス」の穴埋めとかでたら、たちどころにやられるだろう。穴埋めはいやらしいところを狙ってくる。数年前「企業の社会的責任」なんてのがでた。CSRは確かに時代的なはやりだった。おととしで言えば「人間の安全保障」、昨年で言えば「持続可能な社会」。こういうワード、群馬県は大好き。その意味で、押さえておくべきワードはまだ教科書にころがっている。

(文=峯岸武司)

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