佐日、25年度入試からコース制を廃止
佐野日大高校(栃木県佐野市、髙原健治校長)は2025年度の入試の入試からコース制を廃止し、クラス制を導入することを発表した。
現行のコース名称がクラス名称に置き換わるイメージだが、新しいクラスは学力の輪切りではなく、どのクラスで入学したとしても、幅広い進路選択を可能にした。
高校2年、3年に進級する段階で、「日大進学型カリキュラム」「私立大学進学型カリキュラム」「国公立大学進学型カリキュラム」「αクラス」から自分に最適なカリキュラムを選択してもらい、生徒自身の進路の最適化を図っていくしくみ。
「どこのコースで入学したから、この方向性しか狙えないという形だと進路のミスマッチが起こりやすい。高校入学から卒業後の夢の実現の間に立ちはだかる、文系にするか理系にするか、国公立に進学するか私立に進学するか、日大に進むかそれ以外の大学にするかといった進路の悩みをあえて生徒自身に考えさせて、将来大学で何を学びたいかを確立させたい」と同校の田邉健副教頭は制度の狙いをこう説明する。
実際、ベネッセの調査(2016年「大学生の学習・生活実態調査」)によると、大学入学後、他学部や学科・コースを移りたいと思っている学生は27%、他の大学に移りたいと思っている学生は38.3%にも上っていることが明らかになっており、進学のミスマッチは高校にとっての大きな課題になっている。
同校では日本大学の付属校の強みを生かして、こうした大学進学後のミスマッチを防ぎ、自分のキャリアを切り開いていけるようなカリキュラムを編成した。
まず高1段階を「自己発見ステージ」と位置づけ、大学での学びを入学直後に知る機会を作り、将来について考えるプログラムを用意した。日大が16学部を抱える総合大学であるというメリットを活用し、日大の各学部長が同校の1年生全員に講演を行ったり、実際に生徒が日大の各学部を訪問し、授業に参加するプログラムを組んでいる。3年間を通じた様々な高大連携の取り組みが子どもたちの学びの動機づけにつながることを同校では期待している。
クラス制導入に伴って、従来αコース、特別進学コースのみに適用されていた学業奨学生制度がすべてのクラスで適用対象になる。ただし、入学時、αクラスは納付金ほぼすべてが免除される第一種奨学生が適用される。奨学生制度は進級時に審査が行われ資格の見直しが行われる。
◆佐日 入試日程と概要(同校 募集要項より)
●出題形式はマークシート方式で各教科50分の100点満点。
●出題範囲
国語:全範囲
数学:「三平方の定理」「標本調査」を除く
英語:「英作文」を除く全範囲
社会:公民の「私たちと国際社会の諸課題」を除く全範囲
理科:「自然と人間」を除く全範囲
(編集部)