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火災だけでなく落下物から頭を保護できる防災頭巾を来春にリリース たためるヘルメットの㈱イエローが開発

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火災だけでなく落下物から頭を保護できる防災頭巾を来春にリリース たためるヘルメットの㈱イエローが開発

ライフ

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2024.12.04 
tags:イエロー 足利市, カクメット, タタソフト 防災頭巾, タタメット, 株式会社イエロー, 防災 ヘルメット

社屋にはアインシュタインの相対性理論の数式が。工場にも創業者の森田さんの工業デザイナーとしてのこだわりが随所に施されている(足利市鹿島町で)

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 株式会社イエロー(足利市鹿島町)は来春、新製品の防災頭巾「タタソフト」を販売する。
 従来の布製の防災頭巾は落下物から頭を守れない。同製品は火災などの火の海から体を守ってくれるだけでなく、落下物から頭を保護してくれる機能を加えた。折りたたんだ状態はA4の用紙と同じサイズでコンパクトなので、携帯や収納に向いたつくりになっている。

「有事の際に瞬時に使え、取り扱い説明書がなくても誰でも簡単に安全に利用できる製品を作りたいというのが開発コンセプトです」と同社の工場長である臼倉裕子さんは話す。開発は創業者の森田法勝さん(66)を中心にスタッフ一丸となってあたり、完成までに3年余りの歳月を費やした。
 100均などで材料を買ってきて組み合わせて実験してみるところから開発はスタート。いままでのヘルメット作りのノウハウを生かしながら、何度も試行錯誤した。命を守る製品だからこそ、安全性を担保し強さをキープしなければならない。同時に手軽で装着しやすい製品を作りたい。この一見矛盾したコンセプトを両立させるための、ちょうどよい材質や素材の厚さを探っていく作業は難航を極めたという。

【画像】イエローの新製品「タタソフト」。折りたたむとA4サイズに。

【画像】防災頭巾の「タタソフト」は耐熱性にも優れている

【画像】防災頭巾の「タタソフト」の内側。頭を保護する機能が付いている。


なぜヘルメットの製造をはじめたのか?
 創業者の森田法勝さんは、大手家電メーカーのデザイナーとして勤務後、ドイツ資本の工業デザイン会社に移り、顕微鏡などのデザインを手がけた。
 1991年に、地元館林で工業デザイナーとして独立。独立後は家電メーカーなどの製品のデザインを受注していたが、自社で開発した製品を作りたいと思案していた矢先、2005年3月、福岡県の西方沖地震が起きた。「災害の多い日本で防災に役立つ製品を作りたい」。森田さんはヘルメットの開発を思いついた。ヘルメットといえば、丸い形で積み上げにくい形状をしている。既存の形に手をいれて、コンパクトで場所を取らず、使いやすくデザイン性のあるヘルメットの開発に乗り出した。こうして生まれたのが、折りたたみ型のタタメットの初期モデルだ。イエローが製品を企画デザインし、群馬県内のヘルメットメーカーが生産する共同開発だった。

【画像】たためるヘルメットの「タタメット」シリーズ(写真は「タタメットBCP」)


 販売当初、面白い製品だとさまざまなメディアに取り上げられたものの、すぐに使う製品ではなかったため大きく売れることはなかった。
 転機は11年3月、東日本大震災が起こり、注文が殺到し、委託先の工場もパンク状態になってしまった。「半年待ちの状態でした」と創業者の妻であり現在同社社長の森田恵子さんは当時を振り返る。こういう背景もあり、12年に足利に自社工場を稼働。自社でヘルメットの改良もしやすくなった。以来、ユーザーの声などを反映しながら製品のバージョンアップを重ねてきた。

イエローの製品ラインアップ

 イエローが現在生産しているのは折りたたみ型ヘルメット「タタメットBCP」とスタッキングヘルメットの「カクメット」、防災頭巾付きの折りたたみ型ヘルメット「タタメットズキン3」だ。いずれの製品も厚生労働省保護帽規格に沿って製造され、安全性の国家検定合格品(「飛来・落下物用」「墜落時保護用」などは製品によってスペックが異なる)だ。
 イエローの製品は同社の直販サイトや取り扱いのあるホームセンターなどの小売店で購入できる。

 

 

 

▶おりたたみ式のヘルメット「タタメットBCP」

 

 

 

▶スタッキングヘルメット「カクメット」シリーズは綺麗に積み重なるのが特徴

 

 

 

▶防災頭巾付きの折りたたみ型ヘルメット「タタメットズキン3」

取材協力 株式会社イエロー

(編集部)

 

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