東京農工大と包括連携協定 まず森林活用分野中心に みどり市
みどり市は6日、農林水産業振興などを目的に、国立大学法人・東京農工大学大学院農学研究院と包括連携協定を結んだ。まずは森林活用の分野を中心に、2026年オープン予定の温泉施設に導入する薪(まき)ボイラーやペレット生産、カーボンクレジット(企業間で温室効果ガスの排出削減量を売買できる仕組み)などについて同大からアドバイスなどをもらう予定だ。
同大学は1939年から同市東町に2カ所、合計500㌶の演習林を持ち、敷地内には宿泊施設や研究施設などを擁し、森林の生態系や自然環境に関するさまざまな研究活動を行っている。
今回の協定の目的について、①みどり市の農林水産資源、自然環境、施設を大学の教育研究のフィールドとして活用すること、②大学の持つ地域環境や農林業などに関する技術や専門知識などを生かし、みどり市の行政活動に資する教育研究を実施することにより、地域社会の持続的な発展と人材育成に寄与すること―とし、▽農林水産業振興およびその地域活性化▽木質バイオマスの利用促進▽野生動物管理の教育研究―など7項目の連携内容を確認した。
農学研究院長の船田良教授は「環境や食料、温暖化などに危機感を覚え、農林業などに関心を持つ子どもたちが増えている印象。専門分野の出前講義、中高生を対象としたセミナーを開催するなど、みどり市の発展に貢献できれば」とあいさつ。
須藤昭男市長は「林業は後進国の産業ではなく、先進国のリーディング産業になり得ると思い、林業に力を入れて行政としても取り組んでいる。野生鳥獣や流通など課題はたくさんあるが、農学研究院のノウハウを行政に生かしていければ」と今後の連携に期待を寄せた。