みどり市「こども未来基金」活用第2弾 保育料・給食費完全無償化 保育士の給与改善
みどり市の須藤昭男市長は23日、市役所大間々庁舎で臨時記者会見を開き、ボートレース事業の収益による「こども未来基金」を活用した子ども施策第2弾として、県内12市初となる「保育料・給食費の完全無償化」と、県内市町村初となる「保育士らの給与改善」を来年度から実施する方針であることを発表した。事業費は来年度当初予算案に盛り込まれ、来月開会する市議会定例会に提出される予定だ。
みどり市は昨年、ボートレース事業に関する運営主体との契約において、同市の収益額がこれまでの4倍となる20億円に増額されたことに伴い、同収益を、未来を担う子どもたちに活用するため「こども未来基金」を創設。その基金活用第1弾として、昨年12月には市内小中学校10校の体育館にエアコン74台を一斉設置することなどを発表していた。
今回は、昨年実施した子育て世帯へのアンケート調査や市への要望などを反映させた子育て施策2事業について発表。
保育料と給食費については、現在も国の幼児教育・保育無償化(3~5歳児)に加え、市独自施策として第3子以降・3歳未満児の保育料無償化と、3歳以上児の副食費無償化を実施しているが、それを来年度以降はさらに「第1子から」「保護者の所得制限なし」の完全無償化にする方針。
市の試算によると、0~2歳児までの保育料(給食費含む)が平均122万円、3~5歳児までの給食費が平均21万円であることから、同事業の実施により、生後2カ月入所で卒園までの場合、6年間の園児1人当たりの負担軽減額は約143万円となる想定。
県内ではすでに神流町と下仁田町が同様の事業を展開。12市では渋川市が保育料の無償化を実施しているが、給食費も含めた取り組みはみどり市が初となる。
対象は市内在住で、市内外の保育所、認定こども園、幼稚園などに通う児童。対象人数は0~2歳児(保育料)が約440人で費用は1億1600万円、3~5歳児(給食費)が約1,100人で費用は5,400万円を見込む。なお、認可外施設への通園の場合は補助額に制限を設けることもあるとした。
一方、保育士らの給与改善は、保育料・給食費の完全無償化により、教育・保育ニーズの増加が見込まれることから、民間施設で働く保育職員らの給与に市独自の補助を上乗せするもの。
対象は、みどり市内に所在する保育所、認定こども園、幼稚園の全13施設に勤務する全職員(月に120時間以上勤務)。補助内容は職員一人当たり月2万円、特に保育士の確保や定着に課題がある東町のちえのみ保育園については月5万円を加算するとした。対象人数は約323人で補助費は8,112万円を見込む。
市の試算によると、市内の新規採用保育士の平均月給は、事業実施後18万3,575円、ちえのみ保育園は20万2,000円となり、近隣市(桐生市、太田市、伊勢崎市)の平均17万213円を上回る想定だ。
須藤市長は「市の最重要課題は少子化。アンケート調査や子育て中の方々と直接話をするなかで、やはり一番の課題は経済的負担」であるとし「今後もさまざまな子育て支援を展開していく予定だが、社会全体・地域全体で子育てをしていくという視点で力を入れて取り組んでいきたい」と強調した。
##えとき
「こども未来基金」活用第2弾について発表した須藤市長(みどり市役所大間々庁舎で)