入試問題の登場人物たち 入試分析中にふと思うー進学塾クエスト 塾長・古口徳夫
公立入試も目前に控え、受験生は必死に追い込みをかけている時期だと思います。
小生は出題予想に疲れたので、ティーブレイク中。ふと考えるのは、近年の入試問題の傾向についてです。特に国語の問題では、授業中の対話をもとにした設問が増えています。しかし、それ以上に気になるのは、問題に登場する人物の名前の決め方です。
例えば、昨年度の群馬の入試問題を分析してみると、名前の傾向に興味深い変化が見られました。若手のスタッフは「男子はしわしわが大勢w」と笑っていましたが、しわしわネームは徐々に減少傾向にあるように思います。しわしわネームって知っていますか? しわしわネームというのはキラキラネームの対義語ですこぶる一般的で、ややもすると古くさい響きのある名前のことらしいです。たとえば、太郎とか徳夫みたいな名前ですね(太郎さん、徳夫さんすみません…徳夫って自分やん笑)

◆国語 ─ 伝統的な「花鳥風月」系 春香、夏世、秋斗(今風)、冬樹 松田、竹野、梅山(過去には東野、南田、西川、北山)
◆社会 ─ 以前からバリエーション豊富 景子、恵、正、誠、大樹、里歩、桃花(春だから?)
◆理科 ─ 自然に関する名前が中心 緑、桜、優、花、桃、明、勇
◆数学 ─ 比較的現代的な名前 亜衣、沙知、真一、隆和(誰!?)
◆英語 ─ 誤記を防ぐためか、シンプルな名前が定番 Mika, Mana, Kenji, Takashi, Akira そしておなじみのMs. Brown! そういえば、Mikeを「ミケ」と和訳した強者も過去いました。
(過去にはアニメの登場人物を想像させる「南(タッチ?)」や「新一(コナンくん?)」も〝出演〟したことがあります)
生徒たちには、「必要なところだけ抜き取れ!」「読まなくていい部分は速読モード!」と指導していますが、出題者たちは子どもたちが問題を身近に感じられるよう、細かな工夫を凝らしているのでしょう。結構、名決めにこだわっている出題者もいたりして、入試問題作成というお堅い場で、名前を真剣に考えている様子を想像すると、おもわずクスッとしてしまいます。
そして、受験生に伝えたいことが一つ。試験で自分の最高を発揮するための第一歩は、【出題者の意図をとことん傾聴すること】です。受験生の皆さん、体調管理に気をつけて、出題者との対話を楽しんでください。
── 受験指導37年。こんなことを考えながら、日々出題分析をしています。念のため、決してサボっているわけではありませんよ(笑)