最後の園歌、涙の熱唱 桜木、境野、広沢は「閉園式」も 旅立ちの春、桐生市立幼稚園で修了式
桐生市立幼稚園で21日、修了式が行われた。少子化に伴う幼稚園の再編に伴い、今年度末で閉園する3園(桜木幼稚園、境野幼稚園、広沢幼稚園)では閉園式も行われ、卒園児や保護者、教職員、地域住民らが思い出の詰まった園に別れを告げた。
「大好き、さようなら」
【写真】作曲者の西川さんの伴奏で最後の園歌を熱唱する園児たち(桜木幼稚園で)
桜木幼稚園(荒居佳代園長、園児6人)は1969(昭和44)年に桜木小校内に創立し、73(同48)年に現園舎へ移転。今年度の卒園児6人を含め、56年間で3,087人の園児が卒園している。
修了式では、荒居園長ら教職員が「みんなのことをずっと応援しています」と語り掛けると、6人の卒園児たちは「いつも優しく教えてくれてありがとう。大好きな桜木幼稚園さようなら」とお別れの言葉を送った。
修了式後の閉園式では、2009年に同園の園歌を作曲した元教員の西川教之さん(67)のピアノ伴奏で、卒園児6人が元気いっぱいに最後の園歌を熱唱。涙ぐみながら歌った卒園児の塚越麗叶さんは式終了後、「寂しい」と大泣きして先生たちの涙を誘っていた。
【写真】「ありがとう、境野幼稚園」と言いながら、みんなで風船を空に放った(境野幼稚園で)
境野幼稚園(菅原淑江園長、園児3人)は1954(昭和29)年、境野小学校付属幼稚園として同小校内に開園。多い年は200人以上の園児を抱えた。卒園児は今年度を含め4,962人に上る。
修了式では、3人の卒園児がが菅原園長から修了証書を受け取った。また園歌に続き、保護者らと向かい合って「ぼくのたからもの」を元気いっぱいに歌い、「おわかれのことば」で思い出を振り返った。
閉園式で菅原園長は「地域の人々の支えがあって多くの思い出をつくることができた。これからも皆の心のふるさととしてあり続けるでしょう」と述べた。その後、庭に出た園児らは園舎に向かい「ありがとう境野幼稚園」と呼び掛け、感謝と別れの気持ちを込め、色とりどりの風船を空に放った。
「こども園」として再出発
【写真】在園児から花を受け取る卒園児(広沢幼稚園で)
広沢幼稚園(新井理恵園長、園児11人)は1956(昭和31)年に広沢小学校付属幼稚園として開園。今月で卒園する2人を含め、69年間で5,024人の園児が卒園した。4月からは桐生市立では初となる幼保連携型こども園「広沢こども園」として再出発する。
修了式は同園最後の卒園児に修了証書が渡された後、閉園式に移行。新井園長は「この幼稚園で過ごした思い出は、子どもたちの中にずっとずっと残っていく」とあいさつした。園児らは同園の園歌などを元気な声で歌って「広沢幼稚園」の節目を見届けた。