令和6年度の群馬県公立高校入試をChatGPTにガチで解かせてみた【数学編③:了】
AIに高校入試の問題を解かせたらどうなるか。令和6年度の群馬県公立高校の入試問題を使って、ChatGPTに解かせてみた。無料版なので制限があるため複数回にわたってその状況をレポートする。今回は数学の最終問題まで。
今回は記事が長いため、先に結論を述べておくと、GPTは70点(100点満点中)だった。平均が52.8点だったので、それを大きく上回る結果。他の教科との兼ね合いもあるが、数学の得点だけみると、公立高校の上位校を狙えるレベルと言える。
大問4と5が得点できていないが、こちらは図の問題が多く、「図」の認識でミスをしている。GPTはこういった領域が苦手なようだ。今回、大問5は0%だったので、どこにつまずきがあるのかを検証するため、自分自身も問題を解いてみた。やり方を比較するなどして分析したところ、GTPの解答は解いているプロセスには大きな誤りはなかった。図の認識精度があがれば、将来的には9割以上は狙えると思われる。
大問4
箱ひげ図の問題。(1)は無難にクリア。(2)はイの分析「全体的に左寄り」の認識を誤った。見て歴然だが「右寄り」だ。(3)の正誤判定は正解。ここの配点は13点満点。得点を推定して9点。
大問5
結論から言うと、ここの問題は全滅した。配点18点のところ0点。この時点で100点満点中70点が確定した。こちらが問題。
これに対して、GPTは下記のような解き方をした。
(1)①
「RC=ORCの直角三角形の斜辺」と記述されているが、ORCは直線で、すでに前提が間違えている。記者は数学は専門ではないが、AIの思考法を理解するため、実際に問題を解いてみた。
(1)②
PQの長さは相似比を使って求めるが、途中式を見ると、GPTはOPの長さを(3000-x)と置かずに求めてしまっている。RCは直角三角形の斜辺と認識しているので、三平方の定理をあてはまて解いていると思われる。
(1)③
考え方は合っているが、①、②の問題でミスをしてしまっているので、誤答。
(2)
こちらも考え方は合っているが、これまでの前提が誤っているので、バツ。ORCを直角三角形と認識したミスがすべてにつなっがっている。GPTは図形の認識という点ではまだまだなのかもしれない。一方で、考える道筋はおおむね正しい方向性だったと言える。実際、自分が解いてみたので、その方向性が的外れでないことは確認できた。
(編集部)