【教育コラム】ゼリーが固まるまでに(館林・進学塾クエスト)
こんにちは! 館林市の北西部、県立館林美術館の近くで小1生~高3生を対象とする「進学塾クエスト」を運営しております古口徳夫と申します。今回は「学力を伸ばすこと」について考えていきたいと思います。
■長年の指導を通じて感じていること
私たちは何かに取り組むとき、いきなり始めることはありません。たいていは、準備をして本番に臨みますよね。中学生のみなさんも、テストに向けて日々コツコツと努力しています。保護者の方々も、お仕事や日常の中で目標に向かって計画を立て、頑張っておられることでしょう。
でも、どれだけ準備しても、いつもうまくいくとは限りません。そんなときは結果をふり返り、次にどうつなげるかを考えることが大切です。学習も同じです。「あんなに頑張ったのに…」と悔しい思いをすることもあるでしょう。
長年指導していて、確信を得ていることがあります。それは「その子が結果を出しやすい状態になっているか」ということです。
■伸び悩んでいる子に共通する特徴
入塾までに学習習慣や学習の基本動作を身につける機会が少なかった子や、努力しているのに成績がなかなか伸びない子には、共通して見られる行動があります。
◆ ぜひチェックしてみてください
▢字が乱雑 or 薄い
▢プリントをズレないように二つに折らない・折れない
▢カバンの中に昔のプリントが入っている
▢クリアファイルに何でも突っ込む→そして分厚い(笑)
▢学習記録表を書かない(当塾で使用中)
▢脱いだ靴がそろっていない
▢ペンケースに使わないペンが何本も入っている
共通しているのは、少し厳しい言い方をすれば、日々の行動がまだ【ザツ】であるということです。でも、これは決してその子の能力のせいではありません。
逆に「できる!」と言われている子は、これらがとてもスムーズに出来ています。【一つひとつ・落ち着いて・丁寧に】考えながら行動ができているので、「だから勉強ができるんだね~」と納得します。
声を大にして言います!! 「基本動作の徹底」が学習よりも前にやらなければならないことです。そして、この「基本動作の徹底」は年を重ねるほど難しくなります。「鉄は熱いうちに打て」とはよく言ったもので、高校生よりは中学生、中学生よりは小学生の方が身につけやすいのです。固まってしまったゼリーを整形しなおすのは難しいのと同様、まだ固まり切っていない段階が大切なのです。
■準備が整うまで
さて、ものごとをうまく進めるためには、それに見合った状態までその子が「育っている」必要があります。心理学には「レディネス」という言葉があります。
★レディネスとは?
学習が効果的に作用するために必要な、すべての発達が準備されている状態。
これは次の二つの要因で成り立っています。
1. その人の一般的な発達の水準(ヒトとしての成長の度合い一身体的・精神的)
その子がどう育ってきたか・今、どこまで育っているかということです。
2. その課題を学習するための前提となる知識や技能がすでに習得されているかどうか。
これを整えるために普段やテスト前にコツコツと努力をしているわけです。
この両方が整ってはじめて「結果」に結びつきます。
スポーツでは、基本動作を身につけ、それを自在に使えるようになって初めて試合で力を発揮できます。でも、小学生のチームがいくら強くても、中学生のチームに勝てるとは限りません。もし勝てるとすれば、それは「中学生に通用するほど、心身ともに成長している」ということなのでしょう。
将棋の藤井聡太さんは、まだ20代ですが、棋士としてはベテランに匹敵する、あるいはそれ以上の力を持っています。本当にすごい存在です。周囲のプロ棋士たちも、彼を単なる「若手」としてではなく、一人の突出した実力者として向き合っているのでしょう。
ここ数年の子どもたちを見ていると「学年は中3でも考え方は中1?」という子がとても増えているように感じます。「勉強はできるけれど、精神的な部分がまだ少し幼い(甘い)」――これが今の中学生~高1生の雰囲気です。ベースとなる考え方が幼い(=甘い)ので、
・この課題をうまくやりきるにはどんな工夫が必要なのか
・何をどうすればうまくいくのか?
・今やっていることの核心は何なのか?
が見えていないように思います。そのため、本人は努力しているつもりでも、なかなか結果に結びつかないという、もどかしい現象が起きてしまうのです。
40年近く子どもたちと関わる中で、「内面的な成長が伴って初めて、真の学力がつく」というのが、現時点での私の結論です。だからこそ、あわてる必要はありません。
芽は引っ張っても早く伸びません。今はダメダメでも、滑りまくっていても、「準備が整う時が絶対にくる!」と信じて、私たちはその時を待っています。ぜひ保護者のみなさまも、同じように一歩引いて、お子さんの成長を見守ってあげてください。
もちろん、私たちはただ手をこまねいて待つわけではありません。お預かりしている間、一日も早くその時(レディネスが整う時)が来るよう、お子さん一人ひとりの心に四方八方から刺激を与え、日々全力で格闘しています。
その際に大切にしているのが「年齢・学年の枠を超えた視点で観る」ということです。「○年生だから」「○歳だから」ではなく、「今この子はどの発達段階まで来ているか?」をベースに、ヘタな妥協をせず、あきらめずに向き合っています。
保護者のみなさまも、日々の子育ての中で、「なんでうちの子は……」「〇〇さんちの子はもう〇〇なのに……」と焦りや不安が入り交じっているかもしれません。でも、そんなときは、「今は次のステージへ進むための準備段階なんだ」と、少し長い目でお子さんを見守ってあげてください。
その準備を整え、子どもたちが自分の力で未来を切り拓いていけるよう、私たちはこれからも全力で伴走し続けます。
関連記事
編集部より 記事は配信日時点での情報です。





