【学校探訪記】桐生大学附属中 「知考行確」+「表現」のサイクルで生きる力を育てる
2011年4月に開校した桐生大学付属中学校(味戸克之校長)。桐生市内だけでなく、前橋や伊勢崎、足利などから通学する生徒も多くいます。生徒一人一人を大切にした少人数制授業や、これからの時代に求められる「対話力」、「考える力」、「国際対応力」を身に付けるさまざまなプログラムが魅力的な私立中学校です。そんな同校について取材をしました。
教室の様子
■ 行動指針は「知考行確」
桐生大学付属中学校の教育の中心にあるのが、「生きる力を育む」という考えです。そのための行動指針が、知(自ら知り)考(自ら考え)行(自ら行い)確(自ら確かめる)という過程に、「表現」を加えた1サイクル。先生は、あらゆる場面でこのサイクルの実行を心掛け、教育活動を行っているそうです。
表現(プレゼンテーション、レポート、論文など)は、日本語と英語で行うことに挑戦します。
優れた語学力を身に付け、真に国際社会で活躍できる人材の育成を目指します。
例えば、毎年同校で行われる「箏(こと)・能発表会」に向けて、生徒は授業で箏や能について学びます。ここでは「自ら行い、自ら確かめる」力を育みます。
発表会では演奏・演技のほかに、箏の歴史や能について日本語と英語で発表します。日本の良さを学んで体感し、自ら英語で説明、伝えることで異文化理解や国際交流につなげるそうです。
生徒からは「初めは、能は自分とは遠い存在にあると思っていましたが、稽古を受けることで、日本の伝統文化であり、学ぶことが大切であることに気づきました。これからもさまざまな日本の伝統文化に触れ合いたいです」という言葉が聞かれました。
発表会の様子からも、真剣に取り組む様子がうかがえます。
■ 先取り学習よりも深堀学習を軸に深い理解を促す指導
同校は1学年に特別進学コースと進学スポーツコースの2コースがあり、合わせて30人という少人数制授業を行っています。きめ細やかな質の高い教育で、生徒一人一人の学習ペースに対応することが特徴です。
私立中学では「先取り学習」というイメージがありますが、同校では「深堀学習」という考え方を大切にしています。
深堀学習について神子澤修教頭は「先取り学習は魅力的ですが、そのスピードについていけない生徒もいます。一人一人の生徒を輝かせるためには、先取りではなく深掘りという考え方が大切です。きめの細やかな面倒見の良さが本校の信条。何度も繰り返し学習し、真の実力をつけることが生徒の可能性を伸ばすことにつながります」と話します。
また、「先取り学習を希望する保護者の方もいらっしゃいます。そのため本校では、習熟度別の学習も当然行っています。二段構えです。一人一人成長のスピードは違うわけですから、それに合わせて指導することが重要ですよね」と語っています。
■ これからの時代に活きる豊富なプログラム
同校が取り組むさまざまなプログラムのなかでも、コミュニケーション力、課題発見・課題解決力・課題遂行力、情報収集力を総合的に身に付けることができるのが「クエストエデュケーションプログラム」。社会のさまざまな問題や企業から与えられた課題に取り組み、プレゼンテーションを実施します。
また、国内の大学・大学院で学ぶ留学生とグループワークを行う「プレエンパワーメントプログラム」や中期留学など、国際交流プログラムも豊富です。
取材に対応してくれた神子澤教頭
神子澤先生は「本校では生徒さんの中にある『やりたい』『成長しよう』という気持ちを大切にしています。その気持ちを引き出すために、面倒見の良さとさまざまなプログラムでサポートしています」と話しています。
学校紹介動画(桐生大学附属中 公式サイトより)
(編集部=臼井晃斗)