【子育て世代のぶっちゃけ座談会】塾通い、どーする?(1)
学校のことや勉強のことなど、子どもの教育をめぐる親の悩みは尽きないもの。「よその家ではどんなふうに考えているのか知りたい」。そんな声に応えて、みんなの学校新聞編集局では、同じ境遇の親たちに集まっていただき、本音で語り合ってもらう場を設けました。題して「子育て世代のぶっちゃけ座談会」。今回のテーマは「塾通い、どーする?」です。
◇参加者のプロフィール(名前は仮名です)
とおるさん 中3年の長男、中1年の次男、小2年の三男の父。塾には長男が以前通っていたが、今は全員通っていない。太田市在住。
めぐみさん 中1年の長男、小5の長女の母。塾には長男が中学入学前から通い始めた。高崎市在住。
ひろこさん 中2年の長女、小5年の長男の母。長女が塾に通っているが通い続けるか検討中。太田市在住。
みかさん 中2年の長女、小6年の次女、年長の長男の母。長女が塾に通っていたが辞めた。次女は通っている。太田市在住。
学習塾の塾長 伊勢崎市で学習塾を経営。
司会 みんなの学校新聞記者
(座談会取材は6月16日、桐生市内で行われた)
夏休みを前に子どもを塾に通わせようか悩むご家庭が増えてくる時期ですね。どこの学習塾に通わせようか塾選びは大変ですよね。そもそも子どもを塾に通わせるかどうか。そこから迷うところ。子どもを塾に通わせている皆さんは、どのような動機で塾に通わせようと思ったのか。逆に通わせていない理由は何なのか。実際に通わせての感想はどうでしょうか? 経済的な負担もあれば、送り迎えの問題などもありますよね。そんな塾事情についてざっくばらんにお話しいただければと思います。
とおるさんは子どもを塾に通わせることについてはどうですか?
今は子ども全員が塾には通っていませんが、長男は中1のときに通っていました。行かせた目的は家で全く勉強をしないということです。辞めてしまったのは塾の先生が甘すぎたという理由です。塾の課題をやっていかなくても怒られないんですよね。成績もあまり上がらず…。
始めたタイミングと期間はどれくらい通いましたか?
中1の4月から1年くらいです。中学生になり勉強が難しくなると思って。塾を辞めた後は、自分でやっていましたが続かずといった感じです。
ちなみにその塾を選んだ理由は?
簡単に言えば大手だからですね。安心感がありました。
中3になって塾は?
また通わせようと思ってます。本人的にはあんまり乗り気ではないのですが、行けばやると思います。
一同 そうそう、環境ですよね。周りもやってるっていう。
あと、友達も通っているので通いやすいかな。競ったりもできるので。
めぐみさんはどうですか?
中1の長男が行き始めたところです。きっかけは友達が通っていたことです。中学生になる前の春期講習に、その友達のママさんにも誘われて。春休みどうせ暇だしと思って申し込みました(笑)。春期講習が終わった後はどうしようかなと悩みました。息子は、自分から積極的にやるという性格ではないので、一回辞めてしまうともう一度ということが難しい。習い事は本人の意思を大事にしようと思ってきたのですが、塾に関しては私主導で続けてもらいました。でも、行ってしまえば楽しいみたいで、いろいろな子もいて刺激にもなりますし、良かったかなと思います。
塾選びについては?
学生の頃に個人塾でアルバイトをしていた経験があります。個人塾の良さは理解していたのですが、息子の性格を考えたときに、ちょっと合わないかなと思いました。大手の進学塾が息子には合っているかなと。あと、友達が通っているということが大きかったです。
みかさんは中2の娘さんが入っていたけど辞められたんですね。
長女の場合は中学受験(中高一貫校)があったので塾に入ったという感じです。中学受験の情報収集をしていくと、その方がいいかなと思いました。塾は受験についての情報を持っているし、受験に向けてどんな対応をすればいいのかも知っていますよね。行きたい学校に通うママさんたちの意見を参考に塾も決めました。対策コースもあり、親としては入塾させて良かったなという思いです。辞めた理由は、入学した学校と塾のカリキュラムに違いがあったこと。本人とも相談して、自分で頑張れるということで辞めました。
下の子は通っているんですよね?
そうですね。受験がなければ塾に子どもを通わせるつもりはなかったのですが、姉と一緒に通い始め今も続けています。受験の予定もないのですが、先生との馬が合うようです。もともと勉強が好きな子ではないのですが、楽しさを教えてもらえたことが大きいです。成績がどうこうよりも、問題が解けて楽しいという感覚を教えてもらえたと思います。そこは親として見ていて良いことだなと思えたので、継続しています。
次に、お父さんやお母さんが塾に求めているものって何でしょうか? みかさんがお話になったように勉強の楽しさを教えてくれたり、勉強へのモチベーションを上げてもらえることは重要ですよね。とおるさんは、課題をやらなくても怒られないことを辞めた理由にも上げていましたが、どうですか?
息子の場合は、厳しくしてくれることが大切かな。やっぱり家ではできないことを塾に求めているので。家では絶対に(勉強を)やらないですから。
私の場合は、塾がペースメーカーになってほしいと思っています。子どもが自分なりに計画を立てて勉強を進めていくのがまだ難しいのかなと。塾が子どもを引っ張っていってほしいというのが一番ですかね。
私も塾に勤めていた経験があるのですが、1学期間を振り返ってどうだったとか、夏休みにどういったことを頑張るとか、今後の展望について話してくれることが重要だと思います。塾に通ってどう改善されたかとか、成績に反映されていなければ、今後どのようにしていくかといった意見が聞きたい!
厳しい意見ですよね(笑)
厳しいですか(笑)。でも、お金を払っているので、そこはお任せしている部分ですよねと思っちゃいます。
親が面倒を見切れない部分をお願いしているという認識。親ができないところを、塾でしっかりフォローしてくださいという意味でのお月謝ですよね。
塾側の立場ですごい矛盾することを言っちゃいますが、そもそも塾って必要なのかなって常々思っています。勉強っていうのは、自分でまずやってみて、やり方を試行錯誤していくものなのかなと思うんですよね。仮に必要だとしたら、自分一人ではどうしても乗り越えられない壁にぶち当たったときに、塾に通えばいいのかなっていうスタンスです。一方で、最近の子どもたちを見ていると、スマホの所有率が増えてきていますよね。家で勉強をすることが、ますます難しくなってきている状況です。決まった時間に外に出て勉強する場。そして、スマホを気にしない環境が提供できる学習塾は、(その部分では)意味があるのかなと思います。
今の話にも出た、スマホとのかかわり方や家庭学習については、皆さんいかがでしょうか。
スマホは使い方次第だと思います。次男はスマホに勉強のアプリを入れて利用したりもしています。取り上げると反発するので、勉強したら使ってもいいよというようにしています。
学校でもタブレットやパソコンを使った授業をしています。スマホの学習アプリも増えてきていますよね。ただ、勉強しているのか遊んでいるのかがわかりにくいという課題があるように感じます。
ある程度の情報に触れさせることは、あってもいいのかなと思います。制限しすぎると、スマホとの付き合い方もわからなくなってしまうと思います。
子どもの性格にもよりますよね。長男の場合、クラスにLINEグループがあるんですが、ほとんど見てないですね。ただ、そこでトラブルに巻き込まれるのは嫌だなと不安はあります。まったく与えないとなると今の時代に合っていないので、家庭で決めたルールを守って使わせることが大切かなと思います。
(つづく)
(取材・構成=編集部 臼井晃斗)