【子育て世代のぶっちゃけ座談会】中学受験、する? しない?(2)
学校のことや勉強のことなど、子どもの教育をめぐる親の悩みは尽きないもの。「よその家ではどんなふうに考えているのか知りたい」。そんな声に応えて、みんなの学校新聞編集局では、同じ境遇の親たちに集まっていただき、本音で語り合ってもらう場を設けました。題して「子育て世代のぶっちゃけ座談会」。今回のテーマは「中学受験、する?しない?」(第2回)です。
◇参加者のプロフィール(名前は仮名です)
ともみさん 私立中高一貫校1年の長男、市立小5年の長女、幼稚園の次女の母。長女も中学受験させる予定。太田市在住
はるかさん 市立小4年の長男と2年の長女の母。中学受験させるか地元の市立中にするか悩み中。伊勢崎市在住
つかささん 公立中高一貫校1年の長女、市立小4年の長男の母。学校や教育に関する情報を収集中。太田市在住
えみこさん 県立高3年の長男、県立高1年の次男、市立中1年の長女の母。中学受験させない派。桐生市在住
司会 峯岸武司(みんなの学校新聞編集長)
(座談会取材は2月9日、桐生市内で行われた)
つかささんは中高一貫校に通わせていますよね。
長女が小1のときから全国統一小学生テストを定期的に受けていて、その保護者説明会で群馬県内の中高一貫校の存在を知って、そこから情報を集めました。
長女はもともと勉強が嫌いでやりたくない派だったんですが、「二月の勝者」(テレビドラマ化された漫画)のように猛勉強している県外の子たちと大学受験で一緒になることを考えたら、何もやらないという選択肢はないよと言って、小6から塾に入れました。
鬼ですね(笑)
でも、本人が最終的に中学受験を決断した理由は、高校入試を受けなくて済むということ(笑)。
ちょうど大学入試が変わる時期で、高校入試や学校の評定も変わると聞いて、うちの子はそんなに積極的な性格ではないので高校入試では不利だろうなと思い、高校受験しなくていいということを猛プッシュして、最終的に中学受験するように仕向けました(笑)
実際に公立中高一貫校に入ってみて、学校はどんな感じですか?
テストや課題の出方を見ていると、普通の学校だったら文句が出そうなぐらいの量が出るので、それに食らいついていける子たちなんだろうなあと思って見ています。部活は、私はガツガツやってほしい派なんですが、本人は体力的にキツいのは嫌だと言って、比較的ゆるやかな運動部に入ってます(笑)
えみこさんは高3の長男が公立進学校に行っていますが、小学校段階で中高一貫校への受験は考えかったのですか?
公立の中高一貫校が開校して間もなかったので、まだよく分からないという面もありましたけど、長男は中学校も高校も全部自分で決めました。私はただ応援していただけ(笑)。
学年のカラーというのがあって、同じ学校でも長男の学年と次男の学年で雰囲気がまったく違っていたんです。長男の学年は70人ぐらいだったんですけど、小学生のときから先生が鼻高々になるぐらいみんな出来が良くて、夏休みが終わればコンクールの入賞者が多数。自主勉をやったらみんな必死で隣の子に負けまいと頑張る。負けず嫌いな子の集団だったんでしょうね。みんなと切磋琢磨することが楽しかったようで、誰も中学受験せずに地元の市立中に入って、高校受験でも学年の真ん中ぐらいの子も地元のトップ校に合格するくらいみんな成績が良くて、70人中40人ぐらい進学校に行っちゃったんです。
親のカラーもありますよね。うちの子の私立中高一貫校にはいわゆる「モンペ」(モンスターペアレント)が一人もいない。だから学校の負担がとにかく少ないっていうのは先生も言ってましたね。
受験というフィルターが入ると集団のカラーが統一されやすいと思いますが、公立校は個性にけっこうな「ムラ」があり、その時々によって空気が変わることはありますよね。えみこさんの長男の学年みたいな雰囲気だったら、受験は考えないかもしれませんね。
全然考えなかったし、長男も勝手に勉強していました。水泳も頑張っていたのですが、関東大会とかに行くと勉強のレベルも高い子がけっこういて。そういう子たちと同じ学校に進んで一緒に部活をやりたいという思いもあったみたい。「オレは〇〇高しか受けない、私立は受けない」というので、何が起こるか分からないからとりあえず私立も受けておこうと、私が心配して無理やり私立高も受験させたりして(笑)。
次男は2歳下なんですけど、長男の学年とはカラーが全然違って、勉強に向かうというよりも個性を大切にする感じでした。次男はその学年のカラーに合わなくて、コロナ禍の休校(2020年3~5月)明けから学校を休みがちになってしまいました。
コロナ禍の影響を受けた子たちはかわいそうですよね。年度替わりの時期に、人間関係が築けていない状態で休校になっちゃったので。学年のスタートの時期は大事ですからね。
(つづく)
(構成=高橋洋成)
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