「どうしても桐生の高校に入りたい」 7月に来日したパキスタン人のシャワルさん、受験勉強に格闘中
パキスタンから今年7月に来日したシャワル・マリクさん(16)とアブドルアジーム・マリクさん(19)の兄妹は現在、外国人への支援を行うボランティア団体Green Peace Kiryu(田中千恵子代表)から日本語の指導を受けている。
母親とアジームさん、シャワルさんと妹・アマルさん(8)の4人は、群馬で自動車輸出入の仕事に従事する父親と一緒に生活するため来日した。
アマルさんは市内の小学校に通っているが、アジームさんとシャワルさんは学齢期を過ぎているため、学校には通っていない。母語であるウルドゥー語、パンジャーブ語と英語は流暢に使いこなせるが、日本語が全く話せない状態だ。来日後、9月から桐生市国際交流協会が毎週土曜日に開いている日本語教室に通い始めた。そこで、Green Peace Kiryuのボランティアスタッフと出会った。「高校進学したいという話を聞いたので、就労者向けの日本語教室ではなく、彼らが必要とする日本語学習ができる場を作りました」と同団体の田中代表は話す。
兄・アジームさんは日本で自動車関係の仕事をするため、日本語の勉強に励んでいる。妹のシャワルさんは10月に行われた桐生工業高校の体験入学に参加し、同校の染織デザインコースにチャレンジすることに決めた。「外国人向けの学校は(桐生)市外にはありますが、どうしても桐生の学校に入りたいという思いが強いようです」と田中代表。
【写真】桐生工業の体験入学の授業を受けるシャワルさん(提供 Green Peace Kiryu)
【写真】星さんの指導を受けるアジームさんとシャワルさん(昭和公民館で)
シャワルさんは現在、来年2月の受験に向け日本語の猛勉強中だ。普段の日は一日6時間、受験に向けた勉強をしている。
週2回2時間は公民館などの場所をかりて、同団体の日本語指導員・星博江さんと籾山純郎さんが指導にあたっている。主に受験科目の指導と日本語が不慣れな両親に入試のための手続きのサポートを行っているそうだ。
外国人向けの入試枠で試験科目は数学と英語と作文、面接。シャワルさんは数学の国際大会の出場歴もあり、「日本語さえクリアできれば合格に近づけるはずです」と星さんは話す。「(学校に所属していないので)同世代のお友達がいないのも何とかしてあげたいです。中学校などで交流の場を作ってもらえればいいのですが」と呼び掛ける。
同団体は任意団体のため自費や寄付で運営されている。「パキスタン兄妹は学校に通っているわけではないので、学用品なども現状持ち出しなので、もし賛同いただける方がいれば寄付をお願いしたいです」と田中代表は話している。
■寄付のなどについてのお問い合わせ
多文化共生支援団体Green Peace Kiryu 代表 田中千恵子
greenpeacekiryu1001*i.softbank.jpへ。(*は@に変えて下さい)
(編集部)