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【独自】オーストラリア社会の勇気に強い賛同と尊敬の念ーSNS禁止法で東北大学 川島隆太教授コメント

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【独自】オーストラリア社会の勇気に強い賛同と尊敬の念ーSNS禁止法で東北大学 川島隆太教授コメント

子育て

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2024.12.09 
tags:SNS禁止法, オーストラリア SNS禁止, スマホ 中毒, スマホ 依存, 川島隆太 スマホ, 東北大学加齢医学研究所 川島隆太

 オーストラリア議会は、11月、16歳未満の子どもがインスタグラムなどのSNSサービスを使えないようにする法案を賛成多数で可決した。アメリカなど州単位で子どもが保護者の同意なしにSNSの利用を禁止する動きはあるが、国レベルでは世界で初めて。

 SNS上でのいじめが原因で子どもが亡くなる事態を受け、法律での規制をすることになった。子どもや保護者には罰則はなく、プラットフォーム企業に最大で約50億円の罰金を科すという。

 

 大規模調査の結果などエビデンスに基づいて子どもたちのスマホ利用の問題について訴えてきた東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授は、みんなの学校新聞の取材に「今回オーストラリア社会が『目の前にあるのに誰もが見ようとしない現実』に直接対峙する勇気を示したことに、強い賛同と深い尊敬の念を感じる」とコメントを寄せた。
 川島教授は、「SNS利用を含めICTの過剰使用は、老若男女を問わず集中力を低下させ、子どもたちの脳発達を阻害する明確な科学的エビデンスがある」と指摘。SNS利用は依存傾向が出やすく、依存により自尊心の低下、不安・抑うつ傾向の増加、共感性や情動制御能力の低下を招くと警鐘を鳴らす。
 「SNSの魔力に立ち向かうには、アルコールや薬物同様に法的規制をすることが妥当だと思う」とオーストラリア議会の判断を評価した。

川島隆太教授のコメント(全文)

SNSが私たちの生活に深く浸透した結果、思考や行動が短絡的・刹那的になり、家族内であっても深いコミュニケーションをする機会が極端に減少してしまったことに、誰もが気付き、違和感と(若干の)危機感を感じているのではないだろうか。今回、オーストラリア社会が「目の前にあるのに誰もが見ようとしない現実」に直接対峙する勇気を示したことに、強い賛同と深い尊敬の念を感じる。SNS利用を含めICTの過剰使用は、老若男女を問わず集中力を低下させ、子ども達の脳発達を阻害する明確な科学的エビデンスがある。SNS利用は依存傾向が出やすく、依存により自尊心の低下、不安・抑うつ傾向の増加、共感性や情動制御能力の低下を招く。社会の責務である、未来を担う子ども達の健全育成を考えると、SNSの魔力に立ち向かうには、アルコールや薬物同様に法的規制をすることが妥当だと思う。ICTをさらに普及させたい勢力の外圧に法案がつぶされないことを切に願う。

 

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