【コラム】『謙虚』(神子澤修)
私のご近所に住んでおられる方のお話しです。
ある朝突然、黒塗りの車が止まるようになりました。
そして、その方の送迎が何年にもわたり続きました。
当初、私はその方のお勤め先等は知りませんでした。
やはりご近所の方に伺うと
「あの方は、群馬に生産拠点を持つ自動車メーカーSの役員をされているの。今は副社長みたいよ」とのことでした。
その方は、副社長から会長になられて退職され、現在はG銀行の社外取締役をはじめいくつかの公職につかれているそうです。
自動車メーカーSと言えば、従業員数が1万6千人の会社です。連結決算を含めると3万5千人を超える大企業の重役、いわば権力者のはずですが、普段お見掛けするお姿には、まったくそのようなそぶりが感じられません。むしろ、失礼を承知でいわせていただければ普通のおじさんです。
謙虚を地で行ってらっしゃるような方、私の憧れの方のお話でした。
桐生大学附属中学校 校長 神子澤 修
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