【学科研究2025】総合学科ってどんな学科?◆伊勢崎興陽高校を事例に
高校にはさまざまな学科が存在します。「学科研究シリーズ」はタブロイド判「みんなの学校新聞」(25年7月上旬発行予定)と連動して、さまざまな学びのスタイルを解説していきます。今回は数ある学科の中の一つ、「総合学科」について、県立伊勢崎興陽高校・進路指導部の鈴木康正先生にお話を伺いました。
総合学科のスクールミッション
◆「産業社会と人間」を核とした教育課程を通して、 社会とのつながりを意識しながら、自己の生き方・ 在り方について考え、自分の可能性や目標を発見できる高校
◆幅広い選択科目の中から、生徒一人一人が学習内 容を選択することを通して、将来の職業選択を視野に、個性を生かした主体的な学習ができる高校
群馬県内に総合学科の学校は6校(渋川青翠・伊勢崎興陽・新田暁・前橋東・安中総合・吉井)あります。
総合学科は単位制高校の1形態で、職業系・普通科系・芸術系・体育系などの内容を幅広く取りそろえ、その中から生徒が自分の進路に合ったものを自由に組み合わせて選択できる学科です。入学後に自分の適性にあわせてカリキュラムを設定できるのが総合学科の利点といえるでしょう。
総合学科も大きく分けて、専門学科にウェイトが置かれた学校と進学にウェイトを置いた学校があります。伊勢崎興陽高校は専門学科にウェイトを置いた学校です。
本校は「学びをデザインする総合学科」を掲げているように、生徒一人一人の進路実現に向けた自分だけの時間割を作ることのできる高校です。
総合学科の独自科目である「産業社会と人間」の授業を活用して、1年次の前期に6つの全コース(系列)【図1】を体験してもらいます。入学後、どのような学びがしたいかはっきりしていない生徒は、この体験期間で自分の適性を見つけることができ、やりたいことが決まっていた生徒も実際に体験することで適性を見極めることもできます。
【図1】6つのコース(系列)
(同校・2024年度 学校案内より)
その後、本人の希望でどの専門系列で学んでいきたいか決め、後期から専門的な学習が始まります。2年次以降は5~7割が選択科目(自由選択科目と系列科目)になります【図2】。実習も多く、社会に出てから役立つ技能を身につけることも可能です。
専門系列を生かした校内6次産業化の取り組みは特徴的で、地元農家や企業などと連携し生徒が育てた学校産の野菜や地元の野菜を校内で加工・商品化し、イベントなどで販売しています。また、大学1校、短大2校と高大連携協定や資格取得など将来に向けたキャリアサポートも充実しています。
【図2】系列科目と共通選択科目(自由選択科目)の一覧
(同校・2024年度 学校案内より)
(編集部)
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