【学科研究】商業高校ってどんな学科?◆高崎商業高校を事例に
高校にはさまざまな学科が存在します。「学科研究シリーズ」はタブロイド判「みんなの学校新聞」(25年7月上旬発行予定)と連動して、さまざまな学びのスタイルを解説していきます。今回は数ある学科の中の一つ、「商業系の学科」について、県立高崎商業高校の鈴木友則先生にお話を伺いました。
職業系専門学科のスクールミッション(公立高校)
◆実践的・体験的な職業教育を通して、各分野における専門的な知識と技術を身に付けることができる高校
◆地域や産業界と連携した探究的な学習を通して、職業人としての豊かな人間性と課題解決力を身に付けることができる高校
商業高校は社会に通用する人材の育成を目指す高校です。日商簿記、ITパスポートの資格の取得と言っても中学生にはイメージしにくいと思うので、もう少し具体的に言うと、アプリの開発や税金の申告の知識を身につけることができる学校です。そういったことが扱えるような授業を展開し、資格の取得にも努めています。
高商の場合、1年次はビジネス基礎、簿記、財務会計、情報処理といった商業の基礎科目を全員が学び、2年次以降、それぞれの興味・関心・適性にあわせて4つの学科から選択します。
大きく分けるとスペシャリストを養成する3学科3クラス(グローバルビジネス科、会計ビジネス科、情報ビジネス科)とゼネラリストを養成する1学科4クラス(総合ビジネス科)です。
※図は高崎商業高校ホームページより引用
高商は群馬県で初めて英語系学科ができた商業高校です。商業で学ぶ英語は「貿易などのビジネスシーンで使える英語」です。グローバル化が進む時代、大学と連携した学習で語学力を高めます。
会計に関する専門的な学習をします。企業の経営判断を分析する能力を養い、高度な資格取得を目指します。将来、フィナンシャルプランナーや会計士、税理士などの金融・会計の専門職に就きたい人に向いています。
プログラミングは今はどの高校も情報の授業で取り扱いますが、さらに一歩進んで、アプリ開発やソフトウェアの開発など専門的なことを学びます。それに付随した資格の取得も目指しています。
この学科は上記3学科の内容を広く学びビジネスのゼネラリストを養成する学科です。部活動に打ち込みたい生徒もたくさんいます。
机上の学習だけでなく学校行事などの場面でも学んだ内容を活用できるのが商業高校の魅力です。商品開発の授業もあって、企業とコラボして商品開発について学び、いくつかの商品は店頭で販売されることもあります。
運動部・文化部が盛んなのは、どの高校にもあてはまるかもしれませんが、簿記部・ワープロ部など商業独自の部活動があり、全国レベルの実績をあげています。ブライダル部という全国的にめずらしい部活動もあります。
卒業後の進路ですが、就職希望者の内定率は100%で、求人倍率も全国平均3.79倍に対し18.24倍(県内外)と非常に高い数字になっています。進学では明治大学や立命館大学など4年制大学105校以上、短大35校以上の指定校推薦枠があります。大学は商学部・経営学部系統の進学で、高校3年間、大学4年間の7年間じっくりビジネス系の学問を究めることができます。
関連記事
編集部より 記事は配信日時点での情報です。