学校施設100年使用へ 桐生市が長寿命化計画
桐生市は21日開会の市議会定例会に、2022年度から40年間にわたる市立学校施設整備の基本方針を示す「市立学校施設長寿命化計画」策定案を提案する。国の改修費補助を受けるのに必要な計画。市は25年ごとの大規模改修で、従来50年以上を目安としてきた学校施設の建て替えサイクルを、100年程度へと延ばす長寿命化方針を示した。従来方針と比べて40年間の維持・更新コストが約3割縮減できると試算している。
計画の対象学校は35校(小学校17校、中学校10校、高校1校、幼稚園7園)で、対象施設は132棟(200平方㍍以上)。このうち建て替え検討の目安となる築50年以上の施設は33棟で、全体の25%を占めている。
市は計画の中で、学校施設整備の基本的な方針として、「躯体(くたい)の状態が健全な建物に対しては、おおむね25年ごとに大規模改修を行うことで、目標使用年数を100年程度に長寿命化する」と明記した。
具体的には、築100年経過後の「改築」、築50年経過後の躯体調査結果を踏まえた「長寿命化改修」、新築・長寿命化改修25年経過後の「大規模改造」などについて、優先順位を検討して実施を判断するとした。
■維持コスト3割減試算も
今後40年間にわたる学校施設の維持・更新コストも試算。築50年以上で建て替える従来方式の約1043億円に対し、築100年まで使う長寿命化方式は約741億円で、約302億円(29%)縮減できるとした。
ただ、少子化に伴う市立小中学校の適正規模・適正配置審議や、公立保育園を含めた公立幼稚園の配置見直しなどで、施設数の変動が今後想定されるため、市教委はあくまで現時点での試算と説明している。
同計画の詳細は、市議会ホームページで「議案、請願・陳情」「市長提出議案」「令和4年市長提出議案」「令和4年第1回定例会提出議案(条例案その他)」「議案第20号」の順にクリックすると閲覧できる。
同議案は21日の市議会本会議に提案・審議される予定。28日の教育民生常任委員会で詳細審議が行われ、3月16日の本会議で採決される見通しだ。