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【シリーズ】校長に聞く(第1回) 桐生第一高校 福田享校長

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【シリーズ】校長に聞く(第1回) 桐生第一高校 福田享校長

教育全般

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2024.04.24 
tags:キリイチ, 桐生第一高校, 桐生第一高校 校長

今回は4月に就任した桐生第一高校の福田亨校長にインタビューしました。

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 24年4月1日付で、桐生第一高校(桐生市小曽根町)の校長に就任した福田享先生(61)に「どんな学校にしたいか」「どんな校長になりたいか」などインタビューしました。

 

――校長就任おめでとうございます。まずは新任校長ということで、どんな高校にしたいと考えていますか?

 

 教職員、生徒、保護者を含めて「チーム桐一」になって学校活動ができればいいなと思っています。

 

――桐生第一高校の学校活動とは具体的には。

「社会に出て役立つ人間」という本校の建学の精神を念頭に、三つの教育目標を実践していくということです。

 教育目標の一つ目は「自主的で人間性豊かな人格の育成」。自分から進んで行動を起こせるような人間になってもらいたいし、感謝や奉仕の心をもって物事に取り組んでほしいと思っています。

 二つ目は「民主社会に貢献しうる社会性の涵養」。人に関わる時の態度や行動の仕方っていうのが社会性。どうすれば人に話を聞いてもらえるかとか、どうやればこの話し合いがまとまるかとか。こういうことを高校生活を通じて身につけてほしいと思っています。

 三つ目は「個人個人が有している優秀性の開発」。人それぞれいいところがあるから、相手の長所を発見してあげられるような人間になってほしいし、同時に自分のいいところも理解できる人間になってもらいたいですね。

 進学や部活で結果や実績を出すことも重要なんですが、まずはその土台作りとして「チーム桐一」を作りたいと考えています。

 

――桐生第一高校の他の学校にはない特色って何ですか?

 12の多彩なコースがあり、それぞれ自分の好きなことに取り組めるという点。うちは普通科の中には特別進学コースがあって、総合コースがある、調理科があって、製菓衛生士コースがある。総合コースの中にはさらにコースがあって…。様々なコースがあります。それを自分で選択することができます。自分の適性を見つけて、卒業後のキャリアにつなげることができるのが最大の特徴です。

【画像】同校ホームページから引用

 

――話は変わりますが、福田先生がそもそも教員になったきっかけは何ですか?

 高校時代に見た中村雅俊主演の「ゆうひが丘の総理大臣」(1978年~1979年・日本テレビ系で放送されたTVドラマ)がきっかけです。熱血教師のドラマだったのですが、その時、先生っていう仕事はいいなと思いました。

 

――ドラマに影響を受けたのですね。

 きっかけはドラマだったのだけど、本格的になろうと決めたのは高校時代の地理の先生との出会いです。ただ地理を教えているだけではなく、人間性の部分も教えてくれる先生でした。

 放課後、生徒が教室で鍋パーティーをやったんですね。こんなことしたら普通怒られます。でも、この先生は「おいしそうだな」って鍋をつまんで、「こりゃ、うまいな」って。そういう寛容な先生でした。この先生のような人間味のある先生になりたいなという思いを強くしました。

【写真】桐生第一高校校長の福田享先生(同校・校長室にて)

 

栃木の高校を卒業後、筑波大に進学。桐生第一高校に高校の社会科の教員として働きはじめた。専門は地理と世界史。世界史は大学や高校の教員が執筆した教科書をチェック・修正するような仕事にも携わったことも。

 

――その恩師の影響が大きいのですね。

 それは校長になった今もあります。校長だからと生徒と一線を画すのではなく、生徒と気さくにおしゃべりのできる校長になりたいですね。だから校長室も職員と生徒に開放しています。私自身は校長室にこもるのではなく、職員室に普段はいるように心がけてもいます。

 

――長い教員生活を振り返って嬉しかったことは?

 教員になって2年目に担任したクラスの子たちはヤンチャな女子クラスだったんです。当時、クラス担任としては戦いのような日々でした。自分は定年退職したんですが、37年ぶりにその子たちから電話がかかってきて、先生の定年退職のお祝いをするという話になりました。その時のクラスメートが集まってくれました。37年経っても覚えてくれていて、そういう会を催してくれる。すごく嬉しい出来事でしたね。

 

――逆につらかったことはありますか?

 自分の思いが生徒に伝わらない時はつらい気持ちになりますね。でも、その時々はつらいけど、いつかは分かってくれるという思いがあるので、自分の思いはしっかり伝えたいと思っています。

(聞き手・峯岸武司)

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