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【塾の先生コラム】「前期試験制度」の『問題点』❷(桐生進学教室)

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【塾の先生コラム】「前期試験制度」の『問題点』❷(桐生進学教室)

オピニオン

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2022.09.20 
tags:塾の先生コラム, 桐生進学教室, 業者テスト, 群馬 公立入試, 群馬 公立高校 前期

第2章 「前期試験に関する塾のウソ」

 

 前の章で紹介したように、進学塾であるウチでもこれだけの『情報』が集まっているわけですから「中間期末対策バッチリ」の塾がこの『事実』を知らないワケがありません。

 『この事実』とは、もちろん「前期は部活動重視」という事実です。これがすべてではないにしても、この『事実』の実例は相当数をもって収集しているハズです。つまり、「中間期末対策」や「内申対策」が「前期試験合格」の役に立つ、という社会通念は生徒集めのために流した『偽情報』(フェイクニュース)で、それぞれの塾は「百も承知」でこのウソをついていることになります。だって、「前期で入りたかったら塾だけでなく部活動にも力を入れろ」「さもなければ初めから後期試験狙いで学力の向上に努めろ」なんて口が裂けても言えませんからね。それでも「知らなかった」と言い張る塾があるとすれば、それはその塾がマヌケであることを自ら暴露しているだけのことです。

 

 ここで、「塾のウソ」についての重大な『真実の証言』を載せておきます。「塾長」の話している相手は「高校の先生」です。

塾長:○○先生、いま私は「みんなの学校新聞」というウェブニュースにカゲキな文章を投稿しているんですよ。その締め括りが「前期試験の実態」というテーマなんです。私のすべての投稿は初めからそこに向けて書かれているんですよ。

○○先生:はい?

塾長:先生も「教育者」であるならば、最後には私に協力してくださいね。

○○先生:はい、何でしょう?

塾長:先生のお子さんは前期で県内有数の進学校に「前期」で入りましたよね。

○○先生:はい、その通りですが、何か?

塾長:そして、あの「中間期末対策バッチリ」で「多量の宿題で生徒を縛っている」塾にお子さんを通わせていましたよね。

○○先生:はい。あの塾と塾長には大変お世話になりました。

塾長:あれだけ部活動で実績を残して、そして前期であの高校に合格するまでに日々の猛練習に時間を費やしていた子が、あの塾の「大量の宿題」をちゃんとこなしていたとは到底思えないんですよ。先生のお子さん、あの塾の宿題、やっていませんよね。

○○先生:いやぁ、先生。あのですねぇ。・・・。

塾長:つまり、知っていたんでしょう、二人とも。○○先生もあの塾長も。先生のお子さんは必ず前期で合格するって。だから、宿題はしてこなくてもイイっていう暗黙の了解があったのでしょう。

○○先生;:(何かを言おうとして考え込んでいる様子)

塾長:それって裏切りですよね。真面目に前期で受かろうと思って塾長や先生を信じて一生懸命に宿題をこなしているその塾の生徒たちだけでなく、教育者として先生のことを尊敬している○○先生の教え子たちに対しても。

○○先生:(真っ赤な顔をしてうつむいている様子)

塾長:許してあげますよ、先生は。あの塾長は許しませんけどね。ただし条件があります。私の最後の投稿に「イイね」を押してください。そして、できれば私を支援するような“Me ,too”のようなコメントを投稿してください。匿名で結構ですから。

○○先生:(顔を上げて)はいっ。

 例えば、中学3年生の夏休みからつまり<中体連>が終わってから入塾した生徒がその後の半年間だけ「入塾」してめでたく前期で合格した場合でも、その塾は「前期合格者○○名!」という“実績広告”を出します。一方で「前期は学校の成績で決まる」と信じている生徒や保護者は、なるべく早くから塾に通わせようとします。なぜなら『通知表』は「中間期末テスト」をベースとして付けられ、中学1年生の1学期から一度付けられた『通知表』はその後にいくら頑張ったところで「3」を「5」に覆すことはできないからです。

   一方で中学1年生の最初から塾に通っている「前期試験合格予定者」でもメリットがあります。普段は部活動の練習がメインの生徒は日々のコツコツと積み上げる勉強をすることができません。相手に“勝つ”ためには、その前に学校の部活内でレギュラーの座を“勝ち取る”ためには日々の猛練習が欠かせないからです。部活の顧問の先生もそのようにハッパをかけます(一部では脅します)。そこに塾が「中間期末対策」で協力してあげるわけです。部活動休止期間中の短期間で効率よく点が取れるように。ゆくゆくはこの子たちが“塾の実績”を作ってくれるわけですから、塾の方にしてもこの子たちへの指導には自ずと力が入ります。

 

   つまり、「運動があまり得意ではない」「性格もどちらかというと内向的」「学校の勉強について行くのが大変で本当に誰かの支援を必要としている」「社会通念を無批判に信じて疑わない」ような生徒や保護者は、塾の経営を支えてくれる“ありがたいお客様“になっている場合が考えられます。

こういうタイプの生徒やその保護者の方は、入塾を決める前に(今からでも)ちゃんと「塾長」に尋ねて確認しなければなりません。

 ①「前期で合格した生徒」と「部活動の活動実績」との相関関係。

 ②「前期や後期で合格した生徒」と「入塾の時期」との関係。

 ③「ウチの子」が「前期で合格できる」可能性とその根拠。

 ④「ウチの子」が「希望校に合格できる」可能性とその根拠。

 

   そして、これは何も「高校入試」にだけ関わることではありません。『大学進学実績』もまったく同様のことが言えます。それは、レベルの高い、受験生にとって憧れの“難関大学”への合格にも、これまで述べてきた高校入試と同じように<ウラ>があるからです。

   塾や予備校の“合格実績”には、「スポーツ推薦で合格した生徒」も「高3の二学期だけしか通わなかった生徒」も「1教科だけしか受講していない生徒」も「特待生で授業料を全く払っていない生徒」も何の区別も分類もなく皆一律に載せられていることが少なくないようです。(一部の合格体験記ではそれが明らかになっているものもあります。)

 私立の早稲田も慶応も明治も青山学院も、国立の筑波も、「スポーツ推薦入学制度」を持っています。そして何人もの生徒がこれを使って合格して行きます。『学力』でこれらの大学に合格することがとても大変なことは、「大学受験」を経験したことのある人なら誰でも知っていることです。

 しかし、これが日本の「入試」と「学歴」の真実です。

 (つづく)

プロフィール

丹羽塾長

<現職>

桐生進学教室 塾長

 

<経歴>

群馬県立桐生高等学校 卒業

早稲田大学第一文学部 卒業

全国フランチャイズ学習塾 講師

都内家庭教師派遣センター 講師

首都圏個人経営総合学習塾 講師

首都圏個人経営総合学習塾 主任

首都圏大手進学塾    学年主任

都内個人経営総合学習塾 専任講師

 

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