「議論尽くされてない」広沢は次回会合で結論 桐生市立小中学校再編で 地元検討委の第3回会合
急激な少子化を踏まえて桐生市立小中学校の再編を検討するため、同市教育委員会が市内9中学校区ごとに設置した「市学校規模等適正化中学校区検討委員会」。その広沢中学校区検討委の第3回会合が25日開かれた。桜木中学校区との統合協議を促す市教委の提案に対し、各委員からは、児童数が激減する他地区とは違うとして現状維持を望む意見や、将来を考えて学校統合の検討が必要との意見が出た。そのうえで「議論が尽くされていない」として、来年1~2月の第4回会合で結論を出すとした。
検討委は今年1~2月、小中一貫校化した黒保根を除く9中学校区に市教委が設置。区内小中学校のPTA役員や校長、自治会長らが委員を務める。市教委は各検討委に、中学校区を越えて小中学校再編協議を進めるか否か、枠組みを含めて来年3月末までに方向性を出すよう求めている。
広沢中学校で開かれた同中学校区検討委(飯塚美明委員長、9委員)の第3回会合では、令和20(2038)年度以降の学校規模や前回検討委での意見などを踏まえ、市教委が「広沢・桜木」の2中学校区で学校統合の協議を検討してはどうかと提案した。
飯塚委員長は「急にどうするかと言われても、なかなか決めがたい。特に広沢は小中学校とも25年後まで各学年2学級が続き、児童数減少が切実な他地区に比べて、一番影響の少ない学区」などと語ったうえで、各委員に率直な意見を求めた。
保護者委員からは「広沢の(未就学児の)お母さんたちは『まだこのまま(学校統合せずに)やっていける』という人が多いと感じる」と現状維持を望む声が出た。一方で校長委員などからは「中学校で各学年2学級は最低限の単位。教科の専門の先生をそろえられず、合同チームの部活動も増える」などと学校統合の検討を望む声も出た。
別の保護者委員からは「(委員)が密室で決めたように思われないためにも(次回会合に向けて)何かすべき」「まだ統合しなくても大丈夫かもしれないが、先々は統合しなければならないかもしれない、という説明はできる」などの意見が出た。
それに先立って青少年団体委員からは「地域協議会に移るか否か、議論が尽くされていない」「もう少し揉んだうえで結論を出すべき」などの声が上がった。
それらの意見を踏まえ、飯塚委員長は各委員が所属団体の意見を吸い上げたうえで、来年1月中旬から2月末までに開催予定の第4回会合であらためて協議し、最終的な方向性を決める考えを提示。委員から異論は出なかった。
検討委の過去の議事録や配布資料は、市ホームページ「桐生市学校規模等適正化中学校区検討委員会」で閲覧できる。