複数の統合ケース案示す・中央、清流、境野、梅田4中学区・小中学校再編で桐生市教委・9月から地域協議会開催へ
少子化に備えた桐生市立小中学校再編を検討するため、同市教育委員会が市内8中学校区ごとに開く「市学校規模等適正化中学校区検討委員会」の第5回会議が25日、中央中学校区を皮切りに始まった。中央・清流・梅田・境野の4中学校区での統合協議を前に、市教委は複数の小中学校統合ケース案を初めて示し、各委員が意見を述べた。各中学校区の意見を集約した上で、4中学校区でつくる「地域協議会」の初会合を9~10月に開き、小中学校統合の方向性を協議するとした。
同検討委は市教委が昨年1~2月、すでに小中一貫校化した黒保根を除く、市内9中学校区に設けた。委員は小中学生・未就学児の保護者代表、校長、自治会役員。他中学校区との小中学校統合を協議するか検討した。
第4回会議までに▽中央・清流・境野・梅田の4中学校区▽広沢・桜木の2中学校区▽相生・川内の2中学校区─の3グループで今年度、小中学校統合を協議する地域協議会の設置を決定。新里中学校区のみ単独中学校区内で小学校統合を協議することになった。
今回始まった第5回会議は、地域協議会開催を予定する8中学校区(単独の新里中学校区除く)で開催。地域協議会開催の前に、各中学校区ごとの意見集約を図るのが狙いだ。
昭和公民館で開かれた中央中検討委(小幡文弘委員長、12委員)で、市教委が示した学校統合ケース案は、小学校3案、中学校2案。
小学校統合ケース案1は、2028年度に東・北・菱・梅田南の4小統合(場所は東小)と西・南・境野の3小統合(場所は境野小)を行い、35年度に統合後2小が統合(場所は東小)するものだ。
同ケース案2は、28年度の統合に境野小が入らず単独のままとし、35年度に統合後2小と統合(場所は東小)する以外はケース案1と同じ。ケース案3は、28年度の統合枠組みを東・北・菱・梅田南・西の5小統合(場所は東小)と南・境野の2小統合(場所は境野小)とし、38年度に統合後2小が統合(場所は東小)する。
中学校統合ケース案1は、28年度に中央・境野の2中統合(場所は中央中)と清流・梅田の2中統合(場所は清流中)を行い、36年度に統合後2中を統合(場所は中央中)するもの。同ケース案2は、28年度に中央(南小学区のみ)・境野の2中統合(場所は中央中)と清流(西小学区を含む)・梅田の2中統合(場所は清流中)を行い、36年度に統合後2中を統合(場所は中央中)するものだ。
中学校統合ケース案は、小学校統合ケース案1か2を選んだ場合と、同3を選んだ場合の2つの選択肢があるが、統合の枠組みはどちらも28年度に中央・境野の2中統合(場所は中央中)と清流・梅田の2中統合(場所は清流中)を行い、36年度に統合後2中を統合(場所は中央中)するというものだ。
この日の中央中検討委では、委員長を除く出席委員10人全員が意見を述べ、うち7人が望ましい統合ケース案を選択。小学校統合案はケース案2を選択した人が6人を占め、ケース案3を選択した人は1人だった。中学校統合案は8人が選択し、ケース案1(小学校統合案1・2の延長線上)が7人、ケース案2(小学校統合案3の延長線上)が1人だった。
市教委は今後残る7中学校区検討委で小中学校統合案の意見集約を図ったうえで、9月下旬から10月中旬にかけて地域協議会を開催予定。さらに10月下旬から11月中旬にかけて各中学校区検討委を開き、小中学校統合の方向性について協議を深めたい考えだ。
◆小学校
【統合案1】2028年度に東・北・菱・梅田南の4小統合(場所は東小)と西・南・境野の3小統合(場所は境野小)、2035年度に2小統合(場所は東小)
【統合案2】2028年度に東・北・菱・梅田南の4小統合(場所は東小)と西・南の2小統合(場所は西小)で境野小は現状のまま、2035年度に3小統合(場所は東小)
【統合案3】2028年度に東・北・菱・梅田南・西の5小統合(場所は東小)と南・境野の2小統合(場所は境野小)、2038年度に2小統合(場所は東小)
◆中学校
【統合案1】2028年度に中央・境野の2中統合(場所は中央中)と清流・梅田の2中統合(場所は清流中)、2036年度に2中統合(場所は中央中)
【統合案2】2028年度に中央(南小学区のみ)・境野の2中統合(場所は中央中)と清流(西小学区含む)・梅田の2中統合(場所は清流中)
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