【コラム】『人生の年輪』(神子澤修)
以前に読んだ本の中でのフレーズです。
「人間は、樹木と同じように1年に1本、年輪を刻む。今年はどんな年輪を刻むことができたのか、と自問自答すると毎年忸怩(じくじ)たる思いになるのは私だけであろうか」
忸怩たる思いとは、辞書によると自分の不手際や失敗に対して、深く恥じ入ること、となっています。
【画像】写真ACより
今年も早いものであと1か月余りとなりました。期末試験の最中という生徒も多いことでしょう。高校や大学受験を控える受験生にとっては大切な時期を迎えます。
私が、教員生活を歩み始めた頃の話です。職員室の私の席の隣は、U先生というベテランの女性教師でした。その先生から、「神子澤先生、あなたは熱くなりやすいタイプだから言っておくけど、試験期間中は、きつい指導や厳しい指導は控えなさい。試験勉強をあまりやっていない生徒はもちろんだけど、しっかりやっている生徒でも試験期間中は、イライラしているから。だから、感情的になって指導すると失敗するよ」と。直後は、良く理解できませんでした。ただ、長年教師をやっているうちにだんだんと理解できるようになりました。
試験勉強が思うように進んでいない生徒ほど心理的に追い込まれています。そのような生徒に対して、頭ごなしに「勉強しろ!」と強く言っても逆効果です。私たち大人でも、「やろう」と思っていたことを他から「やれ」と言われると、感情的になってしまい「うるせえな、今やろうと思っていたんだ」となってしまいます。
では、どうすればよいの? という保護者の皆さんの心の声が聞こえてきました。
こんな手はいかがでしょうか。
「○○(お子さんの名前)も頑張っているから、お母さんも、読書しようかな。」
あと1か月、何とか無事に乗り切って、今年も素晴らしい人生の年輪を刻みたいものです。
追伸です。
前々回の、『ペップトーク』の際に、宿題を出しておりました。
模範解答です。
- 「高めのボールに手を出すな!」⇒「低めのボールを狙っていこう!」
- 「勉強しないと試験落ちるよ」⇒「勉強頑張って試験合格しよう!」
- 「まだやっていないのか」⇒「大事なことなのですぐにやろう!」
いかがでしようか。ぜひ、ペップトークを日常のシーンでお使いください。
桐生大学附属中学校 校長 神子澤 修
プロフィール