【学校探訪記】藤岡北高校で学ぶ“未来をつくる”6つの専門コース
県立藤岡北高校という校名から普通科の高校をイメージする人も少なくありませんが、同校は長い歴史を持つ「農業高校」です。はじまりは1947年。多野郡町村組合立多野農業学校として開校しました。48年に県立藤岡高校と合併し、同校の農業科に。83年に県立藤岡北高校として分離独立し、現在の形になりました。
現在は生物生産科、環境土木科、ヒューマン・サービス科の3学科で構成され、各学科には2つのコースが設けられています。同校の学びについて農場長の新木克彦先生にうかがいました。(同校ホームページから)
(同校ホームページから)
野菜や作物の栽培から流通までを学びます。学校内に農場があるため実践的な技術や知識を身につけることができるのが特徴です。アグリフェアというイベントを通じて作物の販売も行い、地域とのつながりも大切にしています。
(同校ホームページから)
安全な食材の生産、良質な食品に関する基礎的な知識・技術を習得できます。「パンやお菓子など作る実習もあります」と新木先生。
昨年12月、県庁で開催された「ぐんまインクルーシブフェスタ2024」では、藤岡特別支援学校高等部、藤岡北高校、藤岡工業高校、万場高校の4校が共同開発した「ダブルニジマスバーガー」が販売されました。このパンを担当したのがフードビジネスコースの生徒だったそうです。
【関連記事】素晴らしい製品やパフォーマンスに感動ーぐんまインクルーシブフェスタ開催
(同校ホームページから)
環境や土木工学に関する基礎的な知識・技能を学習します。
新木先生によると「土木というと工業系の高校をイメージするかと思いますが、農業土木という領域があって、水路やコンクリート施工や測量を学びます。あとは生態系の保全なども学びます」とのこと。
(同校ホームページから)
自然材料を生かした生活・地域空間のデザインや設計についての知識や技術を身につけます。「分かりやすく説明すると造園の勉強をするコースです」と新木先生。緑と花に囲まれた美しく持続可能な生活環境・アメニティ空間の創造に主体的に取り組むことができます。
(同校ホームページから)
園芸や福祉に関する基礎的な知識・技術を身につけるコース。介護職員初任者研修講義もあり、福祉の実習も充実しています。「福祉と園芸というのは実は関連性があって、老人ホームや保育園などでは花を植えたりしますよね。介護や福祉の勉強もしながら園芸も学びます」と新木先生は説明してくれました。
(同校ホームページから)
草花園芸に関して栽培から活用まで幅広く学習します。「草花の栽培とフラワーアレンジメントの勉強を主にやっています」。ガーデニングコースとフローラルライフの違いについて、「ガーデニングは主に樹木を扱い、フローラルライフの方は草花が中心です。ヒューマン・サービス科という学科の名前からも分かるように、植物を介して人とコミュニケーションするイメージです」と新木先生は教えてくれました。
(同校ホームページから)
専門性が高いので入学時どのコースを選べばよいか悩んでしまいそうですが、コースを選ぶのは1年生の秋口からだそうです。
学校の特色について説明する新木先生(同校で)
「入学時はくくり募集なので、全部のコースを回って、実習を体験してもらいます。コースの希望を取って、面談などを通じて自分の学ぶコースを決める。1年生の10月以降に希望のコースに分かれて勉強する流れですね」。実際に体験したから決めることができるので、安心です。
昨年度はコロナ禍以前に実施していたタイ王国での研修を再開しました。9日間、タイ王国北部のコンケン農業技術校を中心に滞在し、学習と交流を図りました。
部活動も盛んですが、農業高校ならではの「農業クラブ」があるが特徴的です。野菜部、草花部などがあり、コースでの学びをさらに深めることができるそうです。「大学のゼミのようなイメージです」と新木先生。また、全コース通じて資格の取得にも力を入れています。
卒業後の進路は大学・短大・専門学校などの進学と就職が1:1くらい。「最近は進学希望者が増えています」と新木先生は教えてくれた。
藤岡北高校は、農業高校という枠にとどまらず、地域や社会とつながる多彩な学びの場を提供しています。土に触れ、人と関わり、地域に貢献する——そんな学びを求める中学生にとって、とても魅力ある高校です。
「中学生のみなさんはぜひ学校説明会などに参加して『リアル』な藤北にふれてほしいと思います」(新木先生)
(編集部)
関連記事
編集部より 記事は配信日時点での情報です。