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【塾長のショートコラム(5)】「桐高」の(は)本気!?(前編)

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【塾長のショートコラム(5)】「桐高」の(は)本気!?(前編)

オピニオン

みんなの学校新聞編集局 
投稿日:2023.05.22 
tags:桐生進学教室, 桐生高校, 群馬県 高校入試 一本化, 群馬県教育委員会

 先日、桐生高校の「学習塾対象説明会」に行って来ました。そこで、担当の先生は開口一番にこのようにおっしゃいました。

「新しく始まる群馬県公立高校入試の制度について大きな勘違いをしている塾長先生がいらっしゃるようですので、その辺のところをしっかりと説明させていただこうと思います。」…(あ、これはたぶん私のことなのだろうな)と直感的に感じました。というのも、その先生はこの話しを始める前に最前列に座っている私の方をちらっと見たからです。

それだけではありません、私は説明会が始まる30分前の受付開始時刻直後に会場に到着して2番目に受付を済ませ、会場に入り着席して、受付時に配布された資料を開いて内容を確認しながらこう思っていたからです。(あれ、県教委は私のコラムを読んで入試の制度を“改善”してくれたのかな)と。

 それは、桐生高校の『普通科』の選抜方法が、私がこれまで理解し、批判していた制度すなわち<最初に、全ての受検者を対象に、「特色型」の観点で第1段階選抜を行い…次に、「特色型」の合格者を除いた受検者を対象に、「総合型」の観点で第2段階選抜を行い、…残りの合格を決定する>の、順序が逆になっていたからです。

 つまり、桐高・『普通科』は<第1段階で定員の75%を「総合型選抜」で選抜し、残りの25%のうちの15%分を「特色型選抜①」で、さらにその後で10%分を「特色型選抜②」という順で合格者を決める>ことになっていました。

なお、『理数科』の方は<第一段階で定員の10%を「特色型選抜①」で、続いて40%分を「特色型選抜②」で合格者を選抜し、残りの50%分を「総合型選抜」の基準で合格者を決める>ということで、当初の理解の通りの順でした。

 

※これらの資料は県教委のHPに、「令和6年度群馬県公立高校入学者選抜 各高等学校の選抜方法等の概要」として79ページにわたって県内のすべての公立高校の選抜方法が公開されています。(令和5年4月13日公開)

 

 そして説明担当の先生はこう続けました。

「県教委が提示していた選抜方法はあくまでも“一例”であって、選抜方法の順序や内容は各高等学校が独自に決定してよいことになっています。ただ、表記の方法が誤解を招き易かったということはあると思います」

 

【写真】県立桐生高校の校舎

 

 説明会が終わって塾に戻ってすぐに県教委の<令和3年8月20日付けの「群馬県公立高校入学者選抜制度の改善方針」について>をじっくりと読み返してみました。すると、確かに『別紙』の2枚目の一番最後の「選抜のイメージ」という図式のさらに下のところに文字の大きさも太さも他の文字の半分以下でこのように書かれていました。

※ 「特色型」及び「総合型」の募集人員の割合や選抜の順序等については、「令和6年度群馬県公立高等学校入学者選抜要項」等で、学校ごとの詳細を示す。

 それまでは、ずっと全て「特色型」→「総合型」の順で説明しておきながら、最後の最後に“おまけのおまけのように”もしくは“もうしわけ程度に”こっそりと控えめに書かれていたので、私以外にも『大きな誤解』をしてしまった者がいてもおかしくはないと思います(ちょっとした言い訳を含みます)。こういう誤解を招かないようにしっかりとそして丁寧に説明をする義務が、公(おおやけ)の機関には当然のように求められると思います(ちょっとした反撃を試みました)。

 ちなみにこの欄の「選抜のイメージ」の最初の文言もこれまでと同様に、

『選抜機会を1回とし、全ての受験者を対象に、「特色型」、「総合型」の2段階で選抜を行う』

と、大きな文字で明記してありました。ほんとうに誤解を招き易い書面の構成ですし、これではもし批判や反対意見が無ければそのままの案を押し通した可能性(押し通したい意図)すらあったと思われても仕方がないと思います。

 

 ところで、以前のコラムで私が『民主主義に反する』と強く反発したのはこの<順序>のことではありません。何種類か(最大で3種類)ある「選抜方法」のどれで出願するのか、そしてどれで合格したのか(不合格になったのか)、その情報が入試の主人公である受験生には一切知らされないことが、そもそもの問題点でした。

 ここでもう一度前述の<令和3年8月20日 「群馬県公立高校入学者選抜制度の改善方針」について>を読み直して気づいたことがありました。

 願書の出願時には「特色型」か「総合型」かの選択はできません( 「方針」の別紙の2の(1)の「ウ 選抜方法」のところに小さな文字で <※ 受検者が「特色型」、「総合型」のいずれかを選択するものではない> と明確に書かれています)が、「どちらの選抜方式で合格したかを受験生に教えない・公開しない」とはどこにも書かれてはいません。

 もしかしたらこれまで後期試験の「点数」を期間限定で受験生に教えてくれていたように、令和6年度からの新型入試でも教えてくれるのかもしれません。

 

「あなたは総合型選抜で合格し、得点は579点でした。国語123点・数学108点・英語115点・社会73点・理科68点・面接30点・調査書62点。」とか、

 

「あなたは特色型選抜②で合格し、得点は1355点でした。国語69点・数学72点・英語83点・社会54点・理科65点・面接132点・調査書880点。」とか。

 

  • 桐高・『普通科』の「総合型選抜」は国数英の三教科が各150点満点で社理は各100点満点、面接が40点満点で、調査書は81点満点です。
  • 桐高・『普通科』の「特色型選抜②」は国数英社理科の五教科は各100点満点で、面接が166点満点、調査書はなんと1000点満点です。
  • 高崎女子高校の「特色型選抜①」の調査書の配点は1850点となっており、面接の配点125点と合わせると1975点で、これは五教科の学力試験の満点の500点の約4倍に相当します。
  • なお今回の説明会で「調査書」の配点の内訳を質問したのですが教えてはいただけませんでした。(あとで教えていただけるようなことをおっしゃっていたような、いないような・・・。

 説明担当の先生は、高校入試における「特色型」の必要性を国公立大学の『推薦入試の拡大』にその根拠を求めていました。大学も「学力」以外で選抜を行うのであるから高校(進学校)でも同様の基準で生徒を選抜し入学させないと3年後の『大学進学実績』を作ることができない、という趣旨の発言でした。

 今年度の桐生高校の『国公立大学合格実績』は138名で、そのうちの40名が『推薦入学』だったそうです。(国立79名+公立59名 / 卒業生約360名中)

 それを聞いた他の塾長先生たちの「おぉ~!」という感嘆の声が私の後ろの方から聞こえてきましたが、私は皆さんとは逆に(なんだ、それ…)と思ってしまいました。たぶん私が<学力>に拘(こだわ)る旧(ふる)い人間で、さらには<自分の人生は自分で切り開いて行く>ことを頑(かたく)ななまでに強い信念として持っているからなのでしょう。それに、「国公立大学」の方が「私立大学」よりも優秀であるというような“偏見”を捨てて、今回の合格実績を「国公立大学ならどこでもよいのではなく、その偏差値やランクにもよる」という別の“偏見”で見たとき、この『国公立大学138名』というものを“実績”として本当に評価して良いのだろうか、という懸念が残ります。(つまり、ウチの子もこの国公立大学に入れるのならとても喜ばしい、と心から評価できるのかということです。)

 確かにウチの卒塾生にも「推薦」で国立大学に進んだ子がいますが、そのほとんどが医学部医学科に進んだ子で、その子たちは別に推薦入試に頼っていたわけでもなく「入試」を受けても自力で目標の大学に合格しただろう子たちだからです。それと、不器用なために全教科の総合学力を伸ばすことができず、なおかつ真面目で優しいがために自宅から通える国立大学という理由で地元の群馬大学理工学部を自らの意思で進んだ子たちだからです。(ちなみに私立大学は推薦入学制度を使って大学に進学した卒塾生がとてもとてもたくさんいます。)

 

桐高の『大学進学実績』は「令和5年度入試 合格状況」として桐生高校の入学案内などにそのデータ(数字)が公表されていますが、左側の国公立大学の<表>に対して右側の私立大学の<表>の大きさが半分しかないのは、やはり「国公立の方が重要」という考えが現れているものと捉えざるをえません。それに、国公立大学は全ての合格校名が記載されているのに私立大学の方は「その他450」と圧倒的な数字があるにもかかわらず「その他」に集約させられてしまっています。せめて国公立大学と同じ大きさまでは私立大学の学校名を記載して欲しいものです。「偏差値が低い私立大学をカットしている」こと自体が、私立大学や低偏差値校に対する“偏見”の表れであろうと判断されてしまいます。

 

                         <後編>へつづく

プロフィール

丹羽塾長

<現職>

桐生進学教室 塾長

 

<経歴>

群馬県立桐生高等学校 卒業

早稲田大学第一文学部 卒業

全国フランチャイズ学習塾 講師

都内家庭教師派遣センター 講師

首都圏個人経営総合学習塾 講師

首都圏個人経営総合学習塾 主任

首都圏大手進学塾    学年主任

都内個人経営総合学習塾 専任講師

 

 

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