「人の批判に怯えるか、自分を信じるか」ー桐商で卒業前の校長講話
桐生市立商業高校の体育館で5日、全日制3年生を対象とした卒業前の「校長講話」が行われた。同校でこの時期に伝統的に実施されているもので、約1時間にわたり、星野亨校長が卒業を目前に控えた生徒たちに学校生活の総括と社会に出るための心構えを語った。
この日は、星野校長が県立中央中等教育学校に勤務していた当時の教え子で、現在は関西テレビ(カンテレ)東京制作部に勤務する中林佳苗さんが来校。学校を題材とした番組企画の事前取材として講話の様子を記録した。中林さんは定時制の時間帯まで丸一日かけて学校を取材した。撮影された映像は放送目的ではなく番組制作の資料として活用されるという。

【写真】3年生を前に講話する星野校長(同校・体育館で)

【写真】生徒に紹介される中林さん(右)
■「S.P.A.R.K. for our well-being!」の1年を総括
講話の中で星野校長は、この1年間に進めてきた同校の取り組み「S.P.A.R.K. for our well-being!」を振り返った。携帯電話やスマートフォンの使用ルールの見直しや、定期試験を1日2科目とすることで部活動との両立を図った制度改革、桐生市に対する学校設備改善の要望活動などを紹介。また、生徒主体で運営した「KCスポーツクラスマッチ+文化祭」や「S.P.A.R.K.イメージポスター制作」などの新たな挑戦についても触れ、生徒とともに歩んだ1年を振り返った。
そのうえで、これから社会に出るうえで重要な力として「エージェンシー(主体性)」「レジリエンス(立ち直る力)」「ウェルビーイング(幸福)」の重要性を改めて強調した。
■「ロバと老夫婦」と大谷翔平のエピソード
講話では星野校長が、生徒に対し「人の批判に怯えて生きるのか。それとも、自分を信じて進むのか」と繰り返し問いかけた。
例として紹介したのが「ロバと老夫婦」の寓話。老夫婦がロバを連れて旅をする中で、ロバに乗れば「動物がかわいそう」と言われ、降りれば「乗らないのは無駄」と言われ、二人で乗れば「重すぎる」と非難される。校長は「人の目を気にしすぎると、最後は何もできなくなる。すべての人に評価される生き方は存在しない。だからこそ、自分の価値観で選択することが大切だ」と語った。
また、大リーグ・大谷翔平選手のエピソードにも触れた。二刀流に挑戦した当時、大谷選手には「無理だ」「どちらかに絞るべきだ」という声も多くあったが、周囲の評価に流されず自らの信じる道を選び続けた。その結果、世界最高峰の舞台で前例のない活躍を成し遂げたことを紹介し、「まずは自分で決めること」と「主体性」の重要性を強調した。
■「幸せとは何か」生徒と対話
終盤では「幸せとは何か」と生徒に問いかける場面もあり、生徒からは「友達と笑えること」「毎日が楽しいこと」などの声が上がった。星野校長は「自分だけでなく、周囲の幸せにもつながる生き方を考えてほしい」と締めくくり、変化の激しい時代を前向きに生きる姿勢を伝えた。
(編集部)
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